てらまちフォト一覧
福島のローカル線阿武隈急行で伊達市梁川へ。駅前に設置されていた町内の案内地図に「岩地蔵」の文字。地図をスマホで写真に収め、それを頼りに歩いていきました。雪がガッツリ残る坂道を上っていった先は、記念碑や小さな祠はあるものの、バッチリ私有地。違うな、と思っていたら、そのお宅にお客様らしき人影が。その方に岩地蔵のことを訊ねると「私にはよく見えないけど、川の対岸から見えるみたい」とのこと。今来た道を戻り、寒風吹きすさぶ広瀬川の堤防を進むと、川に浸食された崖が見えてきました。雪が積もる河原へ下り、対岸の崖の窓のような四角の中を見つめても、お地蔵さんの形は認められませんでした。風化してしまったようです。市発行の観光案内冊子にも掲載がないけれど、その崖の上は梁川城跡なのだし、なぜ、ここにこういうものがあるのか、なんでもいいから手がかりがほしいですねぇ。
埋もれた史跡|梁川岩地蔵
2016年1月27日公開 2016年01月24日撮影
福島飯坂にある曹洞宗巌湯山常泉寺。温泉の町だからこその山号・寺号なのでしょうか。禅宗寺院は修業道場としてこざっぱりとした建築が多いと感じています。しかし、禅宗でも京都萬福寺や東京白金台の瑞聖寺といった黄檗宗の寺院では、中国風の建築も多く見られます。ここ常泉寺はといえば、山門をくぐると本堂前へ導くようにひし形の舗石が並び、本堂は黒漆喰に縁取られた白漆喰壁、向拝や両脇の窓は障子、角のカーブなど、中国的な印象を受けます。龍や鳳凰などの彫物も見事で、じっくりと拝見しました。こういうお寺にめぐりあうと、建築のことをいろいろ知りたいと思うのと同様に、境内に植えられた木々や草花なども、ものによっては仏教的な意味をもって配されているのでしょうから、そういうことも知りたいと思います。図書館で寺院建築についての本でも探してみましょうか。
お寺のアレコレに好奇心
2016年1月26日公開 2016年01月23日撮影
ローカルの飯坂電車に乗り、終点の飯坂温泉駅まで。飯坂は芭蕉も訪れたことのある温泉の町。それ以上の認識は何もなく歩き始めましたが、坂が多く、うねった道や階段をたどっているうちに、少しずつ町の骨格が見えてきました。高台の公園には「城跡 古舘」の説明板。伊達氏(後に改姓して飯坂氏)が、平安末期から約300年にわたり居住したと記されています。城の北東に寺社がいくつかあるようなので、坂を下りてみます。最初に出会ったのがこの満願寺。「信達三十三観音」とあるので、小さなお堂には観音様がおいでなのでしょう。その脇にいらしたのが、このお地蔵さま。ずいぶんと大変な目に遭われたようで、あちこち継いであります。両手ともコンクリートで恐らく当初とはまったく異なる形のように見えます。無住寺のようで何かを訊ねることはできませんでしたが、強く印象に残るお地蔵様でした。飯坂は温泉だけではなく、奥深い歴史を秘めた町のようです。
湯の町飯坂のお地蔵さま
2016年1月25日公開 2016年01月23日撮影
今年の干支は申。昨年の未と違って、わざわざ探さなくてもお寺の境内を見渡すと、庚申塔や燈篭、お堂の彫物などにその姿を見出すことができる申。先日通りかかった早稲田駅近くのお寺で、正月花が添えられた庚申塔を拝見。「見ざる聞かざる話さざる」の三猿です。喜久井町の来迎寺にあり、延宝4年(1676)造立の板碑型庚申塔で、「武州湯原郡牛込馬場下町」と古地名が記されています。パッと見、肉厚!な印象。庚申塔には石碑に「庚申」の文字のみが彫られているものも多いのですが、この庚申塔は三猿ががなり厚めに彫り出されています。区掲出の説明板には「極めて固い玄武岩」とあり、そのおかげで状態良く残ったのでしょう。庚申塔は民間信仰の表れ。石碑にお猿さんを見つけたら、古の地域や人々の暮らしに思いを馳せてみては?
申年の庚申塔|喜久井町来迎寺
2016年1月22日公開 2016年01月16日撮影
「ムカエマ」をご存知でしょうか? 私の認識では、みうらじゅんさんが見出したものだと思うのですが、「むかつく絵馬」のこと。みうらさんはイラストレーターですが、お寺界隈では、いとうせいこうさんとの「見仏記」で仏像ブームの最先端を突っ走る方です。私はお寺へ行っても、あまり絵馬は見ないのですが、この日は知り合いのお子さんの受験祈願ツアーということで、御守をいただくか、絵馬を納めるか思案していたので、絵馬の絵柄を拝見しようと近づいたら、真っ先に目に入ったのがこれ。外国からの留学生でしょうか、一生懸命に漢字とひらがなを書いている姿を想像して、思わず「がんばれ!」と声が出てしまいました。これは、ムカエマではなく、ほほえましい「ホホエマ」。早稲田にある寶泉寺は、学業成就や勝負事にご利益があるとのことで、受験生やその親御さん、スポーツ選手などに人気があるそうです。受験生も、留学生も、選手達も、みんな良い成果を上げられますように!
ホホエマ! 早稲田寶泉寺
2016年1月20日公開 2016年01月16日撮影
東京で円空仏を拝することができる! 毎月28日の午後13~15時の二時間のみ御開帳があると知り、昨年末の12月28日、新宿区の北西部中落合へ。14時ごろに伺い、正面で靴を脱ぎ、堂左脇の扉から入堂。円空仏「中井出世不動尊像」は、本尊の不動明王と制多迦童子、矜羯羅童子の三体で、内陣の炉壇の奥に祀られています。まず、意外と大きい! そして、三体とも愛敬のある、いかにも円空仏らしいおおらかさ。木の中にいたお不動さんや童子たちを、できるだけ鉈数少なく顕わにしたという感じです。ちょうど真言宗のお坊さん方がいらしてお経を上げはじめたので、一緒に合掌してお詣りしました。保存講の皆さんが持ち回りで月一回開帳しているとのこと。ツアー会社からの問合せもあるそうですが、付近は閑静な住宅地で、駐車場などはありません。少人数で訪れて、ゆっくりお詣りするのがよさそうです。
東京でお目にかかれる円空仏
2016年1月15日公開 2015年12月28日撮影
寒くなる前の1月11日、足を延ばして三浦半島へ行ってきました。いきあたりばったり、品川から京急に乗り、終点の三崎口まで。駅前の観光案内所で地図を入手して、歩いていけそうな海辺をめざしました。海へ出る手前で、三浦七福神の大黒天が祀られている延寿寺に出会いました。七福神は三浦市の端から端まで点在していて、全部徒歩でまわると約24km。このとき既に12時近かったので、大黒天さまの御朱印だけいただいて、今回はあきらめました。宿泊して、二日に分けておめぐりしてもよさそうですね。延寿寺から小さな川を越え、海をめざすと、途中に円徳寺。延寿寺も円徳寺も、日蓮上人の弟子日範上人が開いたそうです。日範上人が伊豆に流された日蓮上人を思いながら荒行をしたのが、この「御経窟」。御経窟の前の桜がチラホラ咲いていました。昨日未明の初雪、今朝の初氷と、東京にもようやく本格的な冬到来。せっかく開いた桜も、寒さに凍えているかもしれませんね。
荒行の洞窟と早すぎる桜
2016年1月13日公開 2016年01月11日撮影
正月2日・3日、大田区大森にある圓能寺さんで新春大護摩祈願に参列する機会をいただきました。真言宗の法要は大太鼓を打ち鳴らす迫力あるもので、導師様が火を熾すお手許の動きも間近で拝見でき、非常に貴重な体験でした。お護摩のあとの法話で印象に残った言葉を。
実にこの世においては、怨みに報いるに怨みをもってしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。
この法話をなされた副住職の照和さんは、昨年の漢字が「安」であったこと、「安心」がもとは仏教の「あんじん=信仰や実践により得られる心の安らぎ」であることから始め、この怨みについて説かれました。一人ひとりの心の安寧は、周りの人々との関係であったり、所属する組織や社会であったり、広くは世界状勢にも影響されることでしょう。新年から、心に留めておきたい言葉に出会いました。
うらみをすててこそやむ|ブッダのことば
2016年1月7日公開 2016年01月03日撮影
今年はどうやら暖冬の様子。暮れあたりから桜や梅の木々の蕾が目に付いていましたが、元日の七福神めぐりで梅が咲いているのを見つけました。お正月に梅とはめでたさが増す気がしますね。私は東北の出身なので、初詣といえば曇り空のもと、雪がちらつく中に寒さをこらえながら列に並び、お詣りのあとにお焚き上げの炎に手をかざしてホッとするというのが定番でした。東京の冬は濃い青空が印象的です。例年ならそこに冷たい風が吹くわけですが、今年はあたたかでおだやかな年末年始。春花をつける木々も、春かと勘違いしてしまいますね。正月飾りの松竹は緑色、そこに鮮やかな彩りを添えていました。
梅かおる正月
2016年1月6日公開 2016年01月01日撮影
くっきり晴天の元日、白金台から下目黒にかけての山手七福神めぐりをお詣りしてきました。どのお寺も、御朱印所は大賑わい! 地図を見なくても、色紙を持って歩く方についていけば次のお寺にたどりつけるという、プチツアー状態でした。写真のダルマさんは、妙円寺の本堂前にいらっしゃいました。山手七福神は六か寺で構成されていて、専用色紙のほか、この小さなかわいらしい七福神ダルマも授与されています。妙円寺では、本堂脇の妙見堂に福禄寿と寿老人が祀られています。福禄寿は幸福・財産・長寿、寿老人は学芸・智慧・長寿のご利益があるとか。七福神めぐりは福徳を祈るものでスタンプラリーとは違います。そのルート周辺には七福神が祀られている寺社以外にも多くの寺社もあります。また、地域の名所や見どころが点在していて、観光・行楽の要素もあります。寄り道したり、気になる路地を歩いたり、街の風景を眺めたりしながら、自分なりの七福神めぐりを愉しみましょう。
白金台の福禄寿と寿老人
2016年1月5日公開 2016年01月01日撮影