今年の干支は申。昨年の未と違って、わざわざ探さなくてもお寺の境内を見渡すと、庚申塔や燈篭、お堂の彫物などにその姿を見出すことができる申。先日通りかかった早稲田駅近くのお寺で、正月花が添えられた庚申塔を拝見。「見ざる聞かざる話さざる」の三猿です。喜久井町の来迎寺にあり、延宝4年(1676)造立の板碑型庚申塔で、「武州湯原郡牛込馬場下町」と古地名が記されています。パッと見、肉厚!な印象。庚申塔には石碑に「庚申」の文字のみが彫られているものも多いのですが、この庚申塔は三猿ががなり厚めに彫り出されています。区掲出の説明板には「極めて固い玄武岩」とあり、そのおかげで状態良く残ったのでしょう。庚申塔は民間信仰の表れ。石碑にお猿さんを見つけたら、古の地域や人々の暮らしに思いを馳せてみては?
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