福島飯坂にある曹洞宗巌湯山常泉寺。温泉の町だからこその山号・寺号なのでしょうか。禅宗寺院は修業道場としてこざっぱりとした建築が多いと感じています。しかし、禅宗でも京都萬福寺や東京白金台の瑞聖寺といった黄檗宗の寺院では、中国風の建築も多く見られます。ここ常泉寺はといえば、山門をくぐると本堂前へ導くようにひし形の舗石が並び、本堂は黒漆喰に縁取られた白漆喰壁、向拝や両脇の窓は障子、角のカーブなど、中国的な印象を受けます。龍や鳳凰などの彫物も見事で、じっくりと拝見しました。こういうお寺にめぐりあうと、建築のことをいろいろ知りたいと思うのと同様に、境内に植えられた木々や草花なども、ものによっては仏教的な意味をもって配されているのでしょうから、そういうことも知りたいと思います。図書館で寺院建築についての本でも探してみましょうか。
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