てらまちフォト一覧
今年の冬至は暖かでした。これから日が延びると思うと少しうれしくなります。しかし、先週あたりから夕暮れの時間が遅くなっていたように感じていたので、国立天文台のサイトで日の出・日の入りを調べてみました。東京で見てみると、昼が9時間45分ともっとも短いのが12月18日~26日、日の出が6:51でもっとも遅いのが1月2日~13日、日の入りが16:28でもっとも早いのが11月29日~12月13日。つまり、日の入りは12月初旬からすでに遅くなってきていて、日の出はまだもう少し遅くなっていく時期だということ。閉門時間を「日の入り」としているお寺をたまに見かけます。この日お見かけした猫住職さんはお堂のお賽銭箱守のようです。少しでも暖かになると、人間に邪魔されずにひなたぼっこできる場所を、猫たちはよく知っていますね。
ぽかぽか冬至の居眠り寺猫
2015年12月24日公開 2015年12月22日撮影
今日は冬至。雑司が谷の鬼子母神で毎年冬至に行われる法会「星祭り」に参列しました。星祭りはおもに日蓮宗など密教系の寺院などで、それぞれの寺院ごとに冬至や春彼岸などの季節の変わり目に行われるようです。法要のあとご住職の法話がありました。星祭りとは、この一年の息災に感謝し、息災でこれから一年を過ごせるよう祈願するものだそうです。「お墓」や「祈り」についてのお話から伝わってきたのは、「誰かのために」することの尊さです。「来年もまた、星祭りで皆さんと息災に感謝し、祈ることができますよう」と締め括られました。写真は妙見大菩薩の土鈴絵馬。鬼子母神堂ではシンボルの柘榴が描かれた絵馬が知られていますが、こんな素朴で可愛らしいものもあったのですね。寺務所では「受験生にあげたい」と御守りを求める方がいらっしゃいました。大切に思う誰かのためにという気持ち、温かいですね。
妙見大菩薩の土鈴絵馬
2015年12月22日公開 2015年12月22日撮影
世間は「もうすぐクリスマス♪」と浮かれていますが、こんな時期はお寺では煤払いや納めの縁日など、粛々と年越しの準備が進められています。柴又帝釈天の題経寺では、帝釈堂の正面がベニヤ板で囲まれていました。この日のお詣りは画像の右に見える本堂から入り、渡り廊下を伝って帝釈堂へという流れでした。三が日は一方通行で順路が設定されるのでしょうね。柴又帝釈天は言わずもがなフーテンの寅さんが産湯をつかったことで有名になったところ。境内を歩いていると笠智衆さんの御前様がふっと現れるのではないかとキョロキョロしてしまいます。この日は寅さん記念館がリニューアルオープンしたとか。こちらもお正月準備なのでしょうか。初詣の人出予想は25万人とか。日本一の明治神宮が300万人超ですからケタが違いますが、それでも寅さんの帝釈天、人気は高そうです。
師走、年越し、お正月へのカウントダウン
公開 2015年12月19日撮影
柴又七福神の恵比寿神、医王寺を訪れました。
「医王寺由来 応永14年7月7日時の将軍足利義満公が、奇病(赤目病)が下総国一円に発生し住民が全滅の危機にさらされているのを聞きおよび、時の後小松天皇に悪病退散の祈願寺の建立を上奏し、京都仁和寺の僧観見和尚に薬師瑠璃光如来を奉持させ、柴又村の当地に建立したものである(門前の案内板)」 応永14年とは西暦1407年、600年以上もの歴史があるのですね。
恵比寿さまはガラスの向こうですが、本堂正面の外からも見える場所に安置されています。本堂の外壁上部には雲中菩薩が掛けられ、前庭には古い石碑や石仏が置かれていて、落ち着いた静かな境内です。さてと振り返ると、先ほど通った立派な山門の回廊部分に、何かお像が見えます。どうやら、四天王を四隅に配してある格好。鐘楼門に四天王というのは珍しいのでは? 「仁王山門鐘楼」は平成4年完成とのこと。鐘楼+仁王、それに四天王も盛り込まれた、お役目の多い、とはいえある意味贅沢な山門ですね。
仁王山門鐘楼の四天王
2015年12月21日公開 2015年12月19日撮影
狛犬……じゃない?! 高輪のお寺をめぐっていたら出会った石像。何よりもインパクト大のおじさん顔。そして四つ足。韓国風か中国風かという装飾。承教寺の門前に2体が狛犬のように左右向かい合って配されています。しかし、左右とも同じ表情で阿吽には見えません。寺務所でお訊ねすると「韓国からきた狛犬」とのお答え。狛犬も犬ではない神獣である場合が多々ありますが、これ、犬かなあ? 調べてみると、どうも「件(くだん)」という半人半牛の怪物のようです。人の言葉を話し、大災害の前などに現れて重要な予言を残すと言われているとか。じっくり見ていると、どこかで見たような気がしてくる姿……あっ、アニメの「もののけ姫」にこんなの出てきそう。言葉は発しないけれど、シシ神はカモシカとの半人半獣っぽいですよね。うん、ジブリのキャラクターにいそうだな、このおじさん。
高輪のおじさん顔石像
2015年12月17日公開 2015年12月14日撮影
お正月も近いし、港七福神を予習しようかと思い立ち、地下鉄で乃木坂駅へ。この日の手がかりはイラストマップ。手近な改札を出るとそこは新国立美術館直通。敷地を抜けるとすでに方向を見失っていました。スマートフォンのマップで確認したくても、この日は自宅に置き忘れ。なんとかなるだろうと歩き始めましたが、坂やカーブの多いこのエリア、まんまと道に迷いまくりました。六本木ヒルズ脇のけやき坂は、江戸の古地図にも見られる古くからの道のようで、今も寺社が点在しています。寿老人の桜田神社はもうすぐかな、中華料理屋さん、レストラン、妙善寺、コンビニ……え? 寺? 通りに面したビルに空いた穴をくぐり奥へ進むと立派な本堂が。つまり、これは山門。この「ビル山門」が六本木の街の喧噪を遮り、境内は落ち着いた空間となっていました。寺社とビルというと景観論争になりがちだし、ビル寺も増えていますが、大都会東京ならば、こういう解もあるのかもしれませんね。
ビルトイン・サンモン
2015年12月15日公開 2015年12月12日撮影
今日は赤穂義士の吉良邸討ち入りの12月14日、義士祭が催される高輪泉岳寺へ。ふだんから参拝者の多い泉岳寺ですが、今日は特別ですね。参道から境内まで人、人、人。法要の始まる少し前から墓域への入場制限が始まりました。法要の時間は、義士たちが主君浅野内匠頭の墓前にいた頃に合わせているのでしょうか(午前8時~11時頃)。ところで、討ち入り後の道行きは雪の中のイメージではありませんか? 赤穂義士の吉良邸討ち入りは、元禄15年12月14日(旧暦)。西暦では1703年1月30日です。1月末なら、江戸で雪が降り積もっていたとしても不思議はありませんよね。吉良邸から泉岳寺までの道のりは11~12km程度だったようです。来年平成28年1月31日は日曜日。日時を合わせて歩く忠臣蔵ファンが大勢いることでしょう。
義士祭の人の波
2015年12月14日公開 2015年12月14日撮影
なぜか最近浅草づいています。浅草のまちなかで見た浅草仏教会の「成道会」のポスターに、「どなたでも無料でご参加いただけます」とあったので、のこのこと伺ってみました。成道会とは「お釈迦様がお悟りを開かれた日」に行われる法要。蔵前にある榧寺(かやでら)さんで行われました。法要は宗派ごとに持ち回りのようで、今年は真言宗智山派のお坊さん方により営まれました。30分ほどの法要のあとは東京大学名誉教授大井玄先生の講演で、「ブッダと老耄」と題して、認知症高齢者とコミュニケーションについてのお話しでした。人間の進化や人一人の一生、そして人としての尊厳と感覚的コミュニケーションについて具体的でわかり易いお話。「私達はそれぞれが紡いだ“意味の世界”に住んでいる」―― 認知症患者だけでなく、あらゆる場面、あらゆる人、もちろん自分にもあてはまる認識だなと、腑に落ちました。
成道会に学ぶ“意味の世界”
2015年12月13日公開 2015年12月08日撮影