てらまちフォト一覧
今年から施行された山の日からお盆への流れで世間はすっかり夏休みモード。港区の高輪から泉岳寺にかけては多くのお寺が点在していて、寺町と言ってもいいエリア。お寺や墓地にある木々からは、蝉の声が降ってきます。陽射しもさんさんと容赦ない。そろそろ暑さに負けそうだなというころに、かねてからその樹木葬墓地を拝見したかった道往寺さんに到達しました。「高輪庭苑」という墓地は、従来の「家」の単位ではなく、個人での永代供養墓。緑に囲まれた苑路に沿って小振りな墓石が並び、そうと知らなければ墓地とはわからないかもしれなようなつくりです。暑い盛りなので花は少なめでしたが、旺盛な緑を通りぬける風が爽やかでした。さりげなく敷地を区切るフェンスで羽休めする蜻蛉。そういえばこの前夜、今年初めて鈴虫の声を聞いたばかり。季節は移り変わっていくのですね。
蝉、鈴虫、蜻蛉
2016年8月12日公開 2016年08月11日撮影
1900年(明治33)、藤沢~江ノ島間で開業した江ノ電は、古道「えのしまみち」にほぼ並行していて、江ノ島への参詣鉄道だったことがわかります。現在では古都鎌倉と湘南とを結ぶ観光路線として定着しています。参詣鉄道は京急大師線、東武大師線、京成金町線など、短い盲腸線が多いですね。そこへくると江ノ電の場合は藤沢から鎌倉まで全長10km、所要時間34分と長く楽しめます。鎌倉や長谷など有名なお寺が立地するエリアだけでなく、クルマと人と電車が同じ路面を通るこの写真の腰越付近にも、多くのお寺があります。車両の向こうにこんもり見える森の麓には龍口寺があります。ここ片瀬には「五頭竜」の伝説が残されています。江ノ島の弁天様との絡みもあるらしい。海から引き上げられた文殊様のいらっしゃるお寺もある。義経が滞在したお寺もある。さまざまなストーリーが見え隠れする片瀬・腰越エリア、少しずつ探っていきます。
江ノ電に乗ってお寺へGO
2016年8月10日公開 2016年08月05日撮影
今年3月、上野不忍池の畔にオープンした「びわ湖長浜 KANNON HOUSE」、ようやく行ってきました。昨日までの藝大美術館での展示から流れてくる来訪者も多かったようです。ここは、観音の里・長浜市の運営で、2か月ごとに1体の観音さまがおいでになります。9月4日までは尊住院の聖観音立像。大切にしている観音様を遠くへ2か月も出されるのは、地元としてもいわく言いがたい思いがあることでしょう。ガラスケースの中ですが、照明等の状況もよく、反射などが気になることなく、ゆっくり拝観いたしました。奥のスペースには長浜の広報映像が2本用意されていて、これもじっくり拝見。藝大美術館の展示を観て抱いた湖北観音の里へ行きたい、という思いがより強まりました。上野公園と不忍池の狭間にあるビルの1階で、看板などもあまりに控えめ!そうであるがゆえに、落ち着いてゆっくりできるスペースです。観音様が入れ替わるたびに訪れたいです。
湖北観音の里へのいざない
2016年8月8日公開 2016年08月07日撮影
前々から気になっていた深川陽岳寺さんで「ナツマツリ」が開催されました。何が気になっていたかといえば、その名も「御朱印あつめ」というボードゲーム。陽岳寺さんは、寺院の多い深川エリアのなかにあって、一般の方々が参加しやすい行事等を多数開催されています。このゲームは、「御朱印のカード」を「写経のカード」を使って取り合って点数を競います。基本的に取得した御朱印カード1枚につき1点、そして麻雀でいう「役」のようなものが設定されていて、例えば「大日如来と両側に菩薩」といった並びだと10点、「おみくじ」という飛び道具があって、カードの並びを変えられてポイントがアップして、どんでん返しもあり得る仕掛けもあります。やってみると、駆け引きや勝ち負けも楽しいのですが、写経を納めていただくのがお写経、ということがわかるし、仏さまの名前や並びなどを学ぶこともできます。ともかく一度、やってみてください!
お寺でボードゲーム!
2016年8月6日公開 2016年08月06日撮影
目黒の五百羅漢寺で開かれた「仏教井戸端トーク」へ行ってきました。「お題法話」ということで、オーディエンスがお題=キーワードを10個程度挙げ、それを組み合わせて15分程度の法話をする、という内容。前半のキーワードは「ディズニーランド」「選挙」「女性」「三界萬霊」「みそ」など、後半は「脱出ゲーム」「包む」「うなぎ」「ポケモンGO」「ゴミ箱」などと、【地域】をテーマとしつつも、流行や時事を反映した言葉が並びました。登壇されたのは天真寺の西原師、五百羅漢寺の佐山師、寶蔵寺の野村師のお三方。TDLがグリーフケアと結びついたり、「ゴミ箱」と「包む」とで煩悩の話になったり。笑ったり、なるほどと膝を打ったり、ジーンと沁みたり。五百羅漢寺はその名のとおり、会場となった本堂にも羅漢さんがずらり。こういう空間で法話が聞けるのはとてもいいですね。
仏教井戸端トーク@五百羅漢寺
2016年8月3日公開 2016年07月30日撮影
真夏がやってきました。さぞ賑わっているであろうタワーを後目に、寺院が点在している足もとのまちを歩いてみました。そんなロケーションなので、どのお寺でも堂宇の背景にタワーがにょっきり。青空に映える様子はまさにスカイツリー、これが今の東京の姿なのですよね。このお寺は日蓮宗法恩寺。開基は太田道灌、江戸平河で開かれ、後年現在地に移転しました。そのため、山号は平河山で、移転先の当地が「太平」という地名となりました。参道には塔頭が4か寺並んでいます。西側には大横川が流れ、法恩寺橋と寺名をとった橋も架かります。川の向こうは本所。墨田区による「鬼平情景」という高札型の案内板があり、この法恩寺も池波正太郎氏の『鬼平犯科帳』に登場し、寺の裏手は木立だった旨が記されています。この案内板、区内に16基整備されたようです。こんどは古地図片手に、案内板のあるスポットをめぐってみましょうか。
東京スカイツリーと鬼平
2016年8月1日公開 2016年07月31日撮影
日本を、世界を騒がせている位置情報を使用したゲーム。各寺社でも何かしらの対応を余儀なくされています。個人的にはまるで興味がもてず、起こっている現象についても否定的な立場ですが、お寺へ行こう!てらまちを歩こう!を提唱するてら×まち×さんぽとしては、街を使うゲームなら何かしら利用法を考えたほうがいいのかな、と遠目に眺めていました。そんなとき目にした恐山院代のブログ記事「番外:告知と批判」。3年前に恐山を訪れたときの写真を見返しました。7月というのに寒々しく、ゴツゴツとした岩やその向こうの砂浜と清らかな水面。畏敬の念、厳粛な、静粛な気持ち・・・恐山を歩き、感じたことを思い出しました。そう、あそこに、あのゲームはふさわしくない。さらに、院代は指摘されています。「自社の敷地でも所有地でも管理地でもない、いわば他人の土地を無断かつ一方的に利用して儲けるなどという行為は、それを行う企業のモラルに致命的な欠陥があることを示している。」まずは、院代のブログをご一読ください。
「恐山あれこれ日記」の「番外」
2016年7月28日公開 2013年07月27日撮影