てらまちフォト一覧

浦和の鹿手袋と東西南北

さいたま市南区鹿手袋にある寶泉寺。お地蔵様がたがお召しになっている浴衣には「鹿手袋」と記されています。六地蔵は昭和58年の建立ですが、浴衣は比較的最近衣替えされたように見受けられます。地域を知るうえで、地名は大きな手がかりになります。しかし、住居表記の変更や自治体の合併などにより、その土地の履歴を表す地名が消えてしまうことが多々あります。「鹿手袋」の語源は「尻手袋」で、河川の曲流や沼の尻など、水に関する地形地名だったようです。地図で「鹿手袋」の範囲を見ると、なるほど袋のような、扇状地のような形をしています。周囲には、鴻沼、別所沼、田島、沼影、岸町など、水にまつわる地名が多く散見されます。このあたりは合併で南区となりましたが、もとは浦和市。やはり古地形や旧河道等が影響しているのでしょうか。現在「浦和」の地名は区名として残されています。また浦和は、駅名として「東西南北」すべてがそろうことでも有名。この寶泉寺は、西浦和と武蔵浦和の間にあります。

浦和の鹿手袋と東西南北

2016年9月14日公開  2016年09月11日撮影

初秋は晩夏|東北/大慈寺

盛岡には複数の寺町がありますが、目的としていたのはこちら、黄檗宗の大慈寺。寺の下地区のメインのお寺です。黄檗宗らしくおおらかな雰囲気の境内、唐門や堂々たる本堂は、外観だけでも見応えがあります。訪れたこの日は曇りがちながら薄日も射すお天気。手ぬぐいを首にかけて汗を拭き拭き歩いていましたが、この大慈寺の木陰と吹き抜ける風にホッとして、ついつい長居してしまいました。本堂では法事が執り行われていて、ポクポクと木魚の音と読経の声が漏れ聞こえていました。

初秋は晩夏|東北/大慈寺

2016年9月12日公開  2016年09月03日撮影

新しいお寺めぐりの楽しみ|てらカード

お詣りの記念に。
お仏壇の抽斗に。
御朱印の代わりに。
お寺の名刺代わりに。
法事にご参列の方々に。
お寺のショップカードとして。

先月のエンディング産業展で発表した「てらカード」、早速関東のとある寺院さまよりお問合せをいただきました。いよいよ、「てらカード」がはじまりますよ!

詳しく知りたい方は、 terasampo★gmail.com (すべて半角小文字、★を@に変えてください)あてにメッセージをお送りください。

新しいお寺めぐりの楽しみ|てらカード

2016年9月9日公開  2016年08月22日撮影

寺の下寺院群と清水

盛岡の市街地の東側、盛岡城跡から徒歩15分程度でしょうか、「寺の下」と呼ばれる寺町があり、黄檗宗の大慈寺、天台宗の千手院等、各宗派の寺院が近接して立地しています。寺の下通りに接して、「青龍水」という共同井戸があり、今も地元の人々により守られ、利用されています。もとは通りを挟んだ祇陀寺境内の湧水を引水していたのが、昭和45年に井戸に切り替えられたそうです。名称は祇陀寺の青龍伝説によります。近辺にはもうひとつ、大慈清水もあり、この地域が水に恵まれていることがうかがえます。この写真の右手擁壁が祇陀寺で、左手の絵馬の掲げられた小屋が青龍水、道の突き当たりに見える建物はお豆腐屋さん。清水の近くならもしやと思い、お豆腐屋さんで寄席豆腐を買い求め、青龍水の傍らで味見。豆の旨みがしっかりした、なめらかな舌触り。青流水もまろやかな味わい。水の有難みをじっくり感じた寺の下でのひとときでした。

寺の下寺院群と清水

2016年9月8日公開  2016年09月03日撮影

ボロン、ボロン、ボロン|平泉の一字金輪佛頂尊

岩手は平泉で中尊寺へお参りしました。ちょうど秘仏「一字金輪佛頂尊」の特別開帳中で、白く優しく凛とした仏さまにお目にかかれました。きらびやかな金色堂のあとに拝観したせいか、白さやたおやかさが印象に残りました。一字金輪佛頂尊は梵字一文字で表され、そのサンスクリット読みが「ボロン」。念持仏で、天変地異の際に拝まれたのだとか。お坊さんの丁寧なご説明を伺った後、「ボロン、ボロン、ボロン」と三唱し、お堂をあとにしました。今回の秘仏開帳は平泉の世界遺産登録5周年記念事業の一環で、拝観料の一部は熊本地震に振り向けられるとのこと。平泉のある岩手では台風10号豪雨の被害も大きく、募金箱が設けられていました。一字金輪佛頂尊の御開帳は2016年11月6日まで。

ボロン、ボロン、ボロン|平泉の一字金輪佛頂尊

2016年9月7日公開  2016年09月02日撮影

オリンピックとお寺のことば

今日で8月も終わり。リオデジャネイロオリンピックが終わり、パラリンピックまでのインターバル期間。お盆のころ、三田の寺町を歩きました。このあたりは震災も戦災も被らなかったという稀有なエリアで、江戸期に八丁堀から移転してきたお寺が数多くあります。魚籃坂や幽霊坂など坂の多い地形で、そうした坂路に沿って、あるいは坂のてっぺんにお寺が建っています。写真は玉鳳寺の前から下る坂。右手の山門は仙翁寺。門前の掲示板に、ご住職の手によるのでしょうか、美しい筆で素敵な言葉が掲げられていました。

本物の感動って 他者から 与えられるものではなく 自らの心で 見つけ出すもの

今年は「感動を与えたい」といった言葉は聞かれなかった気がします。メダルの色や有無、そういうこととは関係なしに、何度も心が震え、涙を流しました。とにかく精一杯、持てるものすべてを演技にかけ、競技に打ち込む姿に心をつかまれたのだと思います。

オリンピックとお寺のことば

2016年8月31日公開  2016年08月11日撮影

神仏は微笑むのか

文京区小日向に、「切支丹屋敷跡」(都指定旧跡)があります。ここは江戸時代のバテレンの収容所で、2年ほど前に訪れたときには、住宅地内の「切支丹坂」の路傍に石碑と案内板があるのみでした。ネットでふと目にしたのが、2014年7月の発掘で出土した人骨が、DNA鑑定等によりイタリア人宣教師シドッチのものと判明したという記事(「切支丹屋敷跡」から人骨 禁制下に潜入した宣教師か 2016年4月)。記事中サラッと触れられたもう一人のイタリア人宣教師キアラは、遠藤周作『沈黙』のモデル。『沈黙』は信仰や神の意義をテーマとした、あまりに有名なキリスト教文学ですが、同じく宣教師が主人公の芥川龍之介『神神の微笑』は、日本における西欧文化の受容がテーマで、「でうす如来」なる表現も登場します。写真は護国寺境内の大仏さま。日によってお顔つきが違って見えるのは、こちらの心持ちのせいなのでしょうか。

神神の微笑』は青空文庫で読むことができます。『沈黙』は巨匠スコセッシによる映画が公開待機中。

神仏は微笑むのか

2016年8月30日公開  2016年08月28日撮影

百観音公園の滑り台の前世は

ここは中野区沼袋のとある公園。この石の滑り台、台座下部の石積みといい、安定した方形といい、妙に据わりが良いですよね。実はこれ、もとは鐘楼です。この周辺はいくつかお寺が近接しているエリアで、ここは明治寺の境内の一部を区が借り受けて百観音公園として供用されています。百観音とも称する明治寺にはお庭に多くの観音様が安置されています。明治天皇崩御にあたって観音石像を建立したのがお寺の起源で、大正年間に本堂等伽藍も整えられたものの、第2次世界大戦では鐘楼を供出。戦後そのまま残されていた台座が滑り台になりました。最近都市部では、公園や遊び場などのあり方や空間の確保がニュースに取り上げられるほど問題となっています。この日は生憎の雨で遊んでいる子供はいませんでしたが、こうして境内が公園となっていたり、お寺の施設が遊具に変身していたりするのを見るにつけ、お寺には地域諸問題解決の種が埋もれているなと感じました。

百観音公園の滑り台の前世は

2016年8月29日公開  2016年08月27日撮影

噺家と僧侶

♪さては南京玉すだれ♪ と唄いだしそうな和服の女性は噺家の古今亭ちよりん さん。それを楽しそうに見ているのは天台宗の僧侶で寺社フェス「向源」代表の友光雅臣さん。落語とお寺・仏教はそう遠からぬご縁がありますが、このツーショットが「エンディング産業展」の「お寺の応援団」ブースで撮られたというのはなかなかに面白い状況です。お寺の応援団は、お寺を盛り上げるために活動している8者によるチームで、樹木葬墓地、寺社フェス、宿坊、福祉団体、落語家、てらカード制作と、その内容は多岐にわたります。葬儀や供養の業界展示会なので、他は葬儀社や墓石店などがほとんどで、お寺を応援しようという当ブースはちょっと異色。ちよりんさんは「お寺で落語会を開きましょう」「宗派や場に合わせた落語をやりますよ」というご提案。さあ、あなたの街のお寺でも、落語会やりませんか?ホールで聴くより楽しい体験になりますよ。

噺家と僧侶

2016年8月26日公開  2016年08月24日撮影

愛宕ビジネス街の寺町

愛宕といえば神社が有名ですが、愛宕山の麓は実は寺町。曹洞宗のお寺が多いようです。場所柄、再開発による高層ビルが林立するエリアで、お寺の背後には必ずどこかのビルがニョキっと姿を見せ、振り返るとビルの合間に東京タワーが見えるといった具合。写真の青松寺は愛宕神社南に続く丘陵地に位置し、一帯は愛宕グリーンヒルズとなっていて、山門を仰ぐとその両側に2棟のタワーを従えているように見えます。もともと室町時代の文明8年(1476)太田道灌により麹町で開創され、家康による江戸城の外堀整備の際に移築されたとのこと。この辺りの寺町はそうやって形成されたのかもしれませんね。虎ノ門から神谷町あたりは一大ビジネス街。四天王像が安置された大きな山門をくぐり、境内へ歩を進めると、通りの車の走行音が届かず、盛大な蝉の声に包まれました。このあたりで働いているなら、お昼休みなどにお参りして一息つけるかも、と想像しました。

愛宕ビジネス街の寺町

2016年8月22日公開  2016年08月21日撮影

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