文京区小日向に、「切支丹屋敷跡」(都指定旧跡)があります。ここは江戸時代のバテレンの収容所で、2年ほど前に訪れたときには、住宅地内の「切支丹坂」の路傍に石碑と案内板があるのみでした。ネットでふと目にしたのが、2014年7月の発掘で出土した人骨が、DNA鑑定等によりイタリア人宣教師シドッチのものと判明したという記事(「切支丹屋敷跡」から人骨 禁制下に潜入した宣教師か 2016年4月)。記事中サラッと触れられたもう一人のイタリア人宣教師キアラは、遠藤周作『沈黙』のモデル。『沈黙』は信仰や神の意義をテーマとした、あまりに有名なキリスト教文学ですが、同じく宣教師が主人公の芥川龍之介『神神の微笑』は、日本における西欧文化の受容がテーマで、「でうす如来」なる表現も登場します。写真は護国寺境内の大仏さま。日によってお顔つきが違って見えるのは、こちらの心持ちのせいなのでしょうか。
『神神の微笑』は青空文庫で読むことができます。『沈黙』は巨匠スコセッシによる映画が公開待機中。
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