てらまちフォト一覧
4月末から上野の東京都美術館での「若冲展」が超人気。連日上野公園内に200分を超える長~~~~い待機列ができていることが話題。現場に行って「120分待ち」「200分待ち」といったプラカードを確認して離脱し、他の美術館・博物館へ流れる人も多いようです。そんな折、国立西洋美術館が世界遺産に登録される見通しとなったというニュースが流れ、ここで開催中の「カラバッジョ展」も盛況となりそうな予感。展覧会を目当てに東京へ来た方はどうしてもとご覧になるでしょうが、「ま、いっか」という方なら、上野公園から少し歩いて谷中方面へ「てらまちさんぽ」はいかがですか? 猫も歩けば寺に当たるというくらい、個性豊かなお寺があるし、通りや路地も魅力的です。甘味やカフェもあるから、休憩もゆったり。今日からしばらくは晴天、おさんぽ日和が続くようです。話のタネに有名展覧会に行列するもの一興ですが、東京を愉しむなら、てらまちさんぽという手もありますよ。
「展覧会が無理なら、てらまちさんぽすればいいのに」
2016年5月18日公開 2014年05月16日撮影
湘南モノレール湘南江の島駅から数分歩いただけで、江戸時代初期に杉山検校が寄進したという江島神社への道標、寛文庚申供養塔、西行戻り松と、地域の歴史に触れるものに出会いました。この庚申塔、「南無妙法蓮華経 帝釈天王」と刻まれていて、日蓮宗系のもののようです。このスタイルはこれまであまり見たことがありませんでした。三猿もくっきりしています。もう少し北へ歩くと、「西行戻り松」という説明板があります。「夏枯れて冬ほき草を刈りに行く」―ここで歌われている草は、夏に枯れて冬に生長し、春に刈り取られる麦。西行が鎌を持つ童に「どこへいく」と訊ねたら、この見事な歌で返したため、西行は驚いてもと来た道を引き返しました。それがここ、「戻り松」だといいます。藤沢近辺の麦の収穫、麦秋は6月半ばごろのよう。童と西行の出会い、庚申講に励む人々、人を思いやって道標を立てた杉山検校、古いみちには有名無名、さまざまな歴史が眠っているのでしょう。
えのしまみち、道標、庚申塔、戻りの松
2016年5月17日公開 2016年05月15日撮影
この週末の関東地方は、ほんとうに気持ちの良いお天気でした。海辺へ行こうと思い立ち、朝都内を出て、10時前には湘南モノレールで江の島駅へ到着しましたが、江ノ電のほうはすでに人があふれている気配。それならばと、山側のほうを歩いてみることに。「江の島弁財天道標」が点在する道は旧道でしょうか、以前は商店街だったようで、アーケードの名残もありました。その後、島へは渡らず、腰越方面へ。江ノ電が住宅地から出てきて道路を走り始めるのが、龍口寺前交差点。この交差点は土木学会推奨土木遺産にもなっています。交差点名にもなっている龍口寺、昨日第三日曜は骨董市が開かれていました。まだ時間が早いからか、のんびりした雰囲気。交差点に面した仁王門前から本堂前の階段などに、陶器を中心としてさまざまなものが売られています。初夏の陽射しと海辺の爽やかな風の中、ゆったりと境内散策を楽しみました。
湘南龍口寺の骨董市
2016年5月16日公開 2016年05月15日撮影
寺社フェス向源の目玉プログラム、声明公演。昨年は増上寺のホールで拝聴しましたが、今年はCOREDO室町の日本橋三井ホール。5月2日は、ピーターバラカンさんが紹介する世界の宗教音楽とのコラボ企画でした。一神教から多神教、中東からアフリカ、南米、中米へと音楽の伝播をたどっていく見事な流れ。宗教に対して客観的な態度でのレクチャーで、純粋に音楽として楽しめました。その、地球と時代をたどる音楽を聴いた後に、声明です。日蓮宗の木剣加持(ぼっけんかじ)、天台宗の梵唄(ぼんばい)等、真言宗の観音経と、三宗派でひとつの儀式として構成されていました。写真は木剣加持の後半、仏様においでいただくための場とそこにいる我々のお清めのため、日蓮宗の僧侶が会場の各所で祈祷を行っている場面。ステージからのほの灯りによる大きな影が、まるで仏様がおいでになったかのように感じた幻想的な光景でした。
世界の祈りと日本の祈り
2016年5月10日公開 2016年05月02日撮影
GW期間中、日本橋界隈と増上寺で開催されていた寺社フェス「向源」。100以上用意された体験プログラムの中でも人気だったという「日本橋船上茶会」に参加しました。日本橋を出発して、まずお菓子が配られ、その後順番にお茶が供されました。季節のお菓子は兜、お茶は日本橋の老舗山本山さんのもの。後半はお茶や日本橋の歴史などの解説を聞きながら、日本橋川、亀島川をゆったりとクルーズ。頭上にのたうつような高速道路、目の前に次々と現れる橋や水門、沿川に迫る建物群、そしていきなり開ける隅田川。これが今の「東京」。お茶は臨済宗の宗祖栄西が中国から日本に持ち込んだといわれます。京都宇治がお茶の産地となったのも、明恵上人によるとされています。お茶とお寺との間には、密接な関係があったのですね。江戸の頃には、庭園の池に舟を浮かべてお茶を嗜むという贅沢もあったとか。現在の東京真っ只中で時代を超えて伝統文化に触れる、不思議な体験でした。
江戸と東京はつながるのか?|船上茶会
2016年5月9日公開 2016年04月30日撮影
清澄公園の藤棚が綺麗に咲いているという情報を得て、清澄白河へ。駅から清澄庭園の脇を歩いていたら、モダンな本堂が見えたので、お詣り。浄土宗本誓寺の境内に入るとすぐ右手に祠があり、石造の迦楼羅立像が祀られていました。迦楼羅といえば、興福寺の像が真っ先に思い浮かびます。説明板に「カルラはgaruda(ガルダ)の音写で、インド神話上の架空の大鳥、理想化された霊鳥」とあります。そうそう、航空会社にガルーダインドネシアがありますね。大空を翔る現代の翼というわけですね。迦楼羅を見ると、鳥というよりカッパっぽいなといつも思うのですが、この石像迦楼羅は確かに鳥っぽいお顔ですね。
ガルーダは翼を広げて
2016年4月28日公開 2016年04月24日撮影
染井吉野が早めに散り、この間の週末は八重桜や藤、つつじが盛りを迎えていますね。各地の寺社や公園で風物詩となっている花木を見にいくのも楽しいのですが、それらの木々の足もとに目を落とすと、また別の草花が咲き乱れています。少し前だとハナニラがよく見かけられましたが、このごろは同じ白い花でも、シャガがピークのようです。楚々とした風情がいかにも日本人好みです。学名はアイリスジャポニカですが、中国から渡来して野生化したという説もあるとか。日陰などにも強いために作庭に利用されることも多いようで、それゆえお寺で見かけることも多いようです。今日の画像は1年前の4月29日、鎌倉建長寺近くの道端に咲いていたシャガ。群生していても可憐さを失わず、初夏のような陽射しにキラキラ光るのも、曇りの日の白く温かい感じも素敵です。あさってからGW、お寺めぐり花めぐりの際は、足もとにも目を向けてみてください。
春の足もと|シャガ
2016年4月27日公開 2015年04月29日撮影
ここは越中島にある東京海洋大学キャンパス北側の道路。深川散歩、とぷらぷらしていたら遭遇した石像群。インドネシアのバリ由来であろう女神やガネーシャ?などの神獣たち。しかも、ここの地名は「江東区古石場」。海洋大学に関連するのかとホームページを拝見すると、航海実習でバリにも寄港しているようで、交流などがあったのかなと想像します。バリでは寺院を核に集落が形成されていて、それぞれの集落ごとに寺院でガムラン(音楽)や踊りなどの芸能が受け継がれ、観光客で賑わいます。今はブロック塀の前に置かれた石像たちですが、バリにいたころはそんな踊りを眺め、ガムランの響をその身に受けていたのでしょうか。
まちかどの石像群|古石場
2016年4月25日公開 2016年04月24日撮影
「春の深呼吸」― 素敵なフレーズですね。大森にある成田山圓能寺さんは、ふだんから写経会やドネーションヨガなどを開催されているお寺です。この圓能寺さんで、あさって4月24日の日曜日、「てらてら」というイベントが開催されます。「春の深呼吸」とは、このイベントのキャッチフレーズ。境内でのマルシェが12時から、本堂でのライブが18時から。ライブはチケットが必要で、マルシェは出入り自由。物販はアクセサリーや革製品、カゴなどの雑貨類、衣類、野菜と多彩で、そのほか、野菜プレートやカレーなどの軽食も出店するようです。また、変わったところでタイ古式木槌マッサージや青空美容室! 屋外で髪を切ってもらうのは気持ち良さそうですね~。この画像はお正月の夕暮れの本堂ですが、新緑の季節、日曜の午後、お寺でゆるっと過ごしてみてはいかがでしょうか。
てらてら フェイスブックページ https://www.facebook.com/terax2
ライブチケット申込みサイト http://harunoteratera4.peatix.com/
春の深呼吸|大森圓能寺
2016年4月22日公開 2016年01月03日撮影
「世界最大級の寺社フェス」と銘打つ「向源」が、4月29日から開催されます。毎年規模を拡大し、今年はとうとうお寺からも飛び出して、日本橋界隈も会場となっています。昨年は芝増上寺を会場に、仏前結婚式やプロジェクションマッピング、増上寺探索ツアーなど、多くのプログラムが同時並行で多数行われていました。今年は「ニッポンを遊べ」をテーマに、いかにも日本、しかもザ・トウキョウな街、日本橋が舞台で各種ワークショップも「和」「江戸」を感じるラインナップ。お香やつまみ細工、和紙漉きなどの工芸品ワークショップや船上茶会は大変な人気のようで、チケットはすでに売り切れ。暗闇ごはんなど精進料理、円空仏彫り、死の体験旅行といった仏教関連ワークショップも多々。迷っているうちにどんどん売り切れになりそう(宿坊研究会さんサイトでの紹介記事)。画像は昨年の声明公演で、日蓮宗と真言宗のお坊さんたちがクロスして転換しているところ。今年は見て聴くだけでなく、唱えてみようというプログラムも組まれています。GWの寺社×日本橋のフェス、チェックしてみては?
荘厳、迫力の声明|寺社フェス向源
2016年4月20日公開 2015年05月03日撮影