「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」というのは、梶井基次郎の『桜の樹の下には』の冒頭部。墓地や霊園の見事な桜を見るたびに、この一節を思い出す方も多いのではないでしょうか。さて、東京タワーとお寺の組み合わせで思い出されるのは、やはり芝増上寺ではないでしょうか。しかし大門側ばかりでなく、芝公園の周辺には多くの寺院が立ち並んでいます。その中でもまさに東京タワーの足元にあるのが、瑠璃光寺と心光寺。隣り合ったこのふたつのお寺の門前に立つと、東京タワーは見上げるばかり。写真に収めようとしても足元だけ。東京タワーは、増上寺の敷地を一部買い上げて建築されたようです。そうなると、「東京タワーの下には・・・!」と連想してしまいますが、建築時の敷地選定にあたっての調査や、お寺や地域の歴史を考えても、そういうことはなさそうですね。とはいえ、このふたつのお寺の境内や周辺には枝振りの見事な桜がありました。春、訪れてみたいお寺がまた増えました。
参照:青空文庫
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