もんじゃ焼きと高層マンションで賑わう月島と地続きながら、取り残されたように木造住宅がひしめきあい、人一人がやっと通れる路地が生きる佃島。佃島は江戸初期に本願寺派教団の信徒が入り、埋め立てられた土地。ここで毎年お盆の7月13日から3日間、念仏踊りが行われています。念仏踊りですが、お寺の境内ではありません。佃の渡船場跡そばの、少し道路が広がっただけの場所。その丁字路の正面にある神輿の展示施設の正面に精霊棚が整えられ、広場の中心に小さな櫓が組まれます。人々は太鼓と唄だけのお囃子に乗って、ゆるゆると踊り流します。盆踊りというと賑やかで楽しげなものを想像しますが、佃島の盆踊りは無縁仏を弔う静かな祈りが込められています。佃島の盆踊は、江戸時代から続く都内唯一の民俗芸能として、東京都指定無形民俗文化財に指定されています。
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