上野のお山で戦争がありました

2017年5月18日公開

2017年05月15日撮影

上野のお山で戦争がありました

「慶応四年辰年の五月十五日――私の十七の時、上野の戦争がありました」―これは、仏師・彫刻家の高村光雲の『幕末維新懐古談』に収められた「上野戦争当時のことなど」の冒頭部です。当時浅草駒形町の師匠のところに住み込んでいた光雲が、当時の上野あたりの町の様子、戦のあとの惨状などを回想しています。上野公園の「西郷隆盛像」は光雲の代表作。その背後に、上野戦争で命を落とした彰義隊の墓があります。毎年日蓮宗が法要を営んできたそうですが、今年は150回忌ということで、徳川宗家や各宗派の大本山も列席のうえでの大法要でした。徳川恒孝氏が「日本の形が変わってきた今、同じく日本が大きく変わった150年前に守るべきもののために戦った烈士の心を大事にしたい」という旨を述べられていたのが印象的でした。