牡丹 ― 花ではなく、餅の寺

2016年5月20日公開

2016年05月15日撮影

牡丹 ― 花ではなく、餅の寺

提灯に「牡丹餅寺」と記されていますね。鎌倉はフジ、ツツジ、アジサイ、ハギ等々、季節毎に花々で彩られ、それが代名詞となっているお寺もありますね。そんな鎌倉ですから、「牡丹寺」かとおもったら、「牡丹寺」ですよ、ぼたもち。ここは鎌倉恵雲山常栄寺。日蓮の「龍の口法難」に際し、この地に住んでいた桟敷の尼が胡麻のぼたもちを捧げ、その後日蓮は難を免れたため、「頸つぎのぼたもち」と言われたとか。お寺のリーフレットに、次のような歌が記されています。「昨日無心今日篤信やお萩腹 邪慳の角折れて慈顔や萩の餅 信力の根ざしもふかし牡丹餅」 毎年9月11日、12日には、龍口法難会が行われ、参詣者にはご難除ぼた餅の供養接待があるそうです。そんなぼたもち寺、境内は野趣あふれる草花で満たされ、やわらかな気配でした。