綿のおばあさんの針供養|正受院

2016年2月9日公開

2016年02月08日撮影

綿のおばあさんの針供養|正受院

綺麗な衣装を纏った女性達にかつがれ運ばれるのは、小さな奪衣婆像。新宿正受院で行われた針供養のひとこま。奪衣婆は、三途の川の渡し賃を持たずにやってきた亡者の衣を剥ぎ取る鬼。近くの太宗寺でもそうですが、閻魔大王といっしょに祀られていることが多いようです。ここ正受院の奪衣婆は子どもの咳封じ・虫封じに霊験があるとして「綿のおばあさん」と親しまれました。針供養の儀式は針塚が建立された昭和32年から行われています。東京和服裁縫組合が協賛されていて、美しい衣装で儀式に参加している若い女性達も和裁を学ぶ学生さんなのだとか。針供養では、和裁・洋裁、畳など、針を使って生業とする職人さんや、手芸を趣味にする人、和服を着る人々、さまざまな立場の人が針に感謝を捧げ、技術の向上、上達を願います。業界が限られているようですが、我々は何かしら衣類を身につけているのですから、一緒に感謝したいと思いました。