美濃の正倉院 飛鳥川の蜻蛉

2015年8月18日公開

2015年08月05日撮影

美濃の正倉院 飛鳥川の蜻蛉

紅葉の名所でもある横蔵寺は、二十二体もの国の重要文化財が安置され、「美濃の正倉院」とも呼ばれるとか。伝教大師最澄が自作の薬師如来を祀ったと伝わる古刹です。瑠璃殿に居並ぶ仏像の数々にご挨拶申し上げ、舎利殿で妙心上人の舎利仏(ミイラ)にお目にかかると、小一時間。養老鉄道の揖斐駅へ行くバスを待つ間、境内を流れる飛鳥川に降りてみました。すると、数メートル向こうの石の上に葉っぱ? 枝……? いえ、トンボです。褐色の羽根、青銅色の腹部。あとで調べて、ミヤマカワトンボの雄だとわかりました。人が口にしても大丈夫だろうと思えるほどの澄んだ水、その水が石に当たりながら流れる音、上空を覆い強い日差しを遮ってくれる木々。そこにじっと佇む蜻蛉。ひととき、涼を感じて、山をあとにしました。