今日は何の日? 大仏の日!
天平勝宝4年(752)の4月9日、東大寺盧舎那仏の開眼供養が行われた日なのだとか。
これにちなんで、てら×まち×さんぽフォトライブラリーから、各地の「大仏」をご紹介しましょう。
まずは、奈良東大寺の盧舎那仏。増高約15m。聖武天皇が疫病平癒を願い建立を発願したといいます。この時の疫病は天然痘だったようです。大仏さまも、江戸期に再建された大仏殿も国宝です。
続いては鎌倉高徳院の阿弥陀如来。像高約11.3m。建長4年(1252)に造立が開始されたと、吾妻鏡にあるとか。その後の大風や大地震などで堂宇が損壊し、以後露仏となりました。
富山県の高岡大仏は高さ約16mの阿弥陀如来坐像。高岡大仏は13世紀ごろに建立された約5mの木造大仏がもとで、その後延享2年(1745)に9.7mの金色木造大仏として再建されるも77年後に大火で焼失。天保12年(1841)に再建された4.8mの坐像は、明治33年(1900)に焼失。現在の鋳造仏は昭和8年に再再建されたものです。
東京からは、先日てらまちフォトでご紹介した板橋の東京大仏。こちらも阿弥陀如来坐像で、増高は8.2mですが、基壇を含めると12.5mあるそうです。
千葉の鋸南町の日本寺摩崖仏。薬師瑠璃光如来。神亀2年(725)開山とされる日本寺の本尊で、天明3年(1783)に大野甚五郎英令が27人の門徒と岩山を3年かけて彫刻したものが原型で、昭和44年(1969)に復元修復されたそうです。日本寺のHPには「瑠璃光を以て衆生の病苦を救い、病苦を救う医薬の仏様」とあります。高さは約31m。
神戸市兵庫区の能福寺には「兵庫大仏」がおられます。明治24年(1891)、廃仏毀釈による仏教の衰退を危ぶんだ地域の豪商が発願し、仏教全宗派を挙げて建立されたものだそうです。第二次世界大戦で金属供出のために解体されたものの、戦後に解体された状態のものが発見され、平成3年(1991)の再建時に混入されたそうです。増高は11m。
九州は大分県豊後高田市の山間に刻まれた熊野磨崖仏。平安時代末期の作とされ、日本国内最古にして最大級の磨崖仏です。写真の不動明王は高さ約8m。この摩崖仏に至る約百段の石段は鬼が築いたという伝説も残ります。
奈良の大仏は疫病平癒を願って建立されたし、日本寺の大仏もお薬師さまです。大仏建立には、多くの人の労力や願い、そして長い時間が必要です。そうした人々の思いや力が込められた大仏が強い力を持つと考えられるのも当然でしょう。
日本にはもっとたくさんの大仏さまがいらっしゃいます。今はその大仏さまがたに思いを馳せましょう。