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おまいりいこか|四天王寺が楽しい5日間!

2019.06.06

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てらまち

出開帳

四天王寺

新西国霊場

本日(令和元年6月6日)現在、大阪の“てんのうさん”こと四天王寺では「霊場巡拝いこか!~新西国38ヶ寺奉祝90周年出開帳」が開催されています。これがめっちゃ面白くて、楽しくて、もったいないので、ぜひ一人でも多くの方に体験してもらいたいと思って、超久しぶりに記事をアップしました!

まず、この霊場札所の面白いところは、その成り立ち。霊場や札所巡りというのは、四国88か所や秩父33観音などのように、古くからなんらかのテーマによって構成されているものがほとんどですが、この新西国霊場はなんと、発足90年と新しいうえに、新聞社主催の一般市民による投票で選ばれたものなのだというから、ほんとうに珍しい!

新西国霊場  昭和7年(1932年)、大阪時々新報、京都日日新聞、神戸新聞を母体とした三都合同新聞社が、近畿二府四県(大阪・和歌山・奈良・京都・滋賀・兵庫)の寺院の中から、わが国仏教の始祖聖徳太子の”和の道”と、平和な世界建設を基調に、信仰と健全な探勝行楽を兼ねる巡拝コースとして、一般読者の意見を中心に人気投票を行ない選定されたもの(イベントチラシより抜粋)

そして、今回の出開帳が霊場会発足90周年事業として行われるということで、そう滅多にあることではないと、初日に馳せ参じました。

天王寺駅からまっすぐ向かっていくと、この大きな石ノ鳥居にたどり着きます。

石ノ鳥居

石ノ鳥居の脇に「令和四年厳修 聖徳太子千四百 御聖忌 総本山四天王寺」との掲示

四天王寺は推古元年(593)に創建された日本で最初の官寺です。日本に入ってきたばかりの仏教を、国としてどう扱うかをめぐって物部氏と蘇我氏が対立、587年に物部氏が戦で敗北した後、物部氏が所有していた土地を聖徳太子と蘇我氏とが分け合いました。そこに聖徳太子が仏教の守護神である四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)を安置したのだそうです。

南北一直線に中門・五重塔・金堂・六時堂(講堂)が並び、それを回廊がつなぐ「四天王寺式伽藍」が特徴。この写真は六時堂から南の方向を見た景色です。ポコッと飛び出してしまったのはあべのハルカス。

六時堂前から南方を望む

石ノ鳥居の先にあるのは、極楽門。金剛力士が構えています。

こんなに歴史と重みのある場所で、100年にも満たない、新聞というメディアが企画した巡拝の出開帳が行われるなんて、四天王寺はなんと懐の深いお寺なんでしょう!まずは、極楽門の先にある特設テントで、「出開帳参拝料」=イベント入場券を購入。10時からの開闢法要に参列すべく、中心伽藍の金堂へ進み…と言っても、行ったことのない方には、伽藍の配置や何が何やらわかりにくいかと思いますので、チケットとともにいただいたパンフレットの会場配置図をドーン。

20190606_四天王寺配置図

で、中心伽藍の金堂で開闢法要に参列、その後は「舎利の法要」にも参列させていただきました。舎利の法要とは、密教の修法でお釈迦様のお骨である仏舎利を頭やお念珠に頂き、お釈迦さまとのご縁を結ぶものです。四天王寺では「舎利出」として毎日11時から厳修されているそうです。これも、毎日、誰でも参列できるという太っ腹っぷり。有難いですね。

開闢法要と舎利出との合間に、お坊さんが四天王寺の縁起や伽藍のことなどをご説明くださいました。四天王寺が創建されたのは、日本に仏教が伝わったばかりの推古元年(593)、宗派というものが存在する以前のこと。平安時代になり、真言宗と天台宗がおこり、歴史的な経緯の中で戦前までは天台宗に属していましたが、戦後の法改正を受け「和宗」としたそうです。そう、十七条の憲法にある、「和を以て貴しとなす」の「和」です。新元号に「和」の一文字が採用されましたが、万葉集のその下には、この十七条の第一の意が含まれています。

厳かな気持ちでお導師さまから舎利を戴き、金堂を後にしました。すると、目の前にあるのは五重塔。ええ、登らずにはおれませんよね。

昇り階段で息が上がり、下りでは脚をガクガクさせ…。そして、38ヶ寺の朱印所が設けられた回廊を一巡り。てっぺんの天井には、仏舎利が収められていました。

御朱印済みの宝院帳の予約販売もありましたが、早々に予定数量に達したようです。また、専用御朱印帳も、当日販売分は早々に売り切れていたようです。私は、これまでにお詣りしたことのあるお寺や、ご縁を感じたお寺など、数ヶ寺の御朱印をいただきました。御朱印と一緒に、御影札もいただきました。

20190605_四天王寺_御朱印

今回の出開帳には、お砂踏み巡礼もあります。会場は中心伽藍の北東にある五智光院。

20190605_四天王寺_五智光院

各霊場のお前立やお身代わりが並べられ、その足元に御砂が置かれ、順に巡るわけです。全38ヶ所を巡り終えると、このような「結願之証」をいただけます。2種類あって、シンプルな文字だけのものと、「ギャグマンガ日和」の聖徳太子のイラスト入りのものから選ぶことができます。

今回の出開帳でのイベントの目玉のひとつは、チラシなどのビジュアルにもあるように、漫画とのコラボ企画です。
お砂踏み会場五智光院の隣の本坊は「『ギャグマンガ日和』ダンボール迷路巡礼」。入口には、聖徳太子の等身大パネルがお出迎え。20年も連載が続いているという人気漫画で、広い本坊の座敷一杯に展開されているダンボール迷路のあちこちで聖徳太子や小野妹子、松尾芭蕉などのキャラクターが待ち構えています。この迷路、ただゴールを目指すのでなく、すべての通路を通り尽くしたくなります。スタッフの方から「どこかに4有袋類がどこかにいます」と告げられたものの、2つまでしか見つけられませんでした。

20190605_四天王寺_ダンボール迷路

私がお参りしたのは平日で迷路巡礼を訪れる人は多くはなく、20分ほどでしょうか、かなり自由に迷路を歩き回ることができました。土日で漫画のファンの方々たくさん巡礼されるなら、もっと時間がかかるかもしれませんね。

午後は、聖霊院太子前殿での記念法要と道成寺絵解き説法へ。

20190605_四天王寺_太子前殿

出開帳記念法要は、聖徳太子和讃や般若心経をお唱えしました。

新西国5番札所の道成寺縁起「安珍清姫大蛇伝説」の絵解き説法は、本物の絵巻を用いての講演です。院主さまの流暢かつところどころ笑わせる話術によって悲惨な物語世界に惹きこまれました。平素、道成寺では、4人体制で毎日7~8回絵解き説法を実施しているそうです。今度は是非、和歌山最古の寺院という天台宗道成寺で説法を拝聴したいですね。

四天王寺の境内は総面積33,000坪、甲子園球場の3倍の広さがあるとのこと。中心伽藍の西側や南大門近くは縁日露店エリアとなっていて、さまざまなお店が出店しています。

20190605_四天王寺

20190605_四天王寺_キッチンカー

その広大な境内には、その他さまざまなお堂が点在。それらをひとつひとつ巡るだけでもかなり楽しめます。前回四天王寺をお参りしたのは、5年前、その時も6月でした。同じように暑かったのを覚えています。(てらまちフォト「大阪四天王寺 熊野街道」)

20190605_四天王寺_大黒堂

大黒堂

20190605_四天王寺_英霊堂

かつて頌徳鐘楼として建立された大鐘楼が釣られていた英霊堂

最後に、天王寺駅近くにある庚申堂へお詣り。

20190605_四天王寺_庚申堂

「おまいりいこか」のチラシなどを事前に拝見していて、四天王寺は2~3時間で、あと2時間ほどは一心寺や應典院など、天王寺七坂あたりのお寺をお巡りしようかと思っていたのですが、四天王寺だけでめいっぱい楽しんでしまいました。その気になれば、二日間にわたって出開帳のコンテンツをたっぷり楽しむこともできそうです。土曜日はインターナショナル座禅大会、また、土日二日間は2D仏像顔出し看板が大人気のアーティストニシユキテンさんによるワークショップあもあるそうです。

20170506_向源_顔出し

他に類を見ない仏教系アート!

どんなふうに巡礼ができるのか、会場の四天王寺はどんなところなのかなど、詳細を知るには、主催のお坊さんたちによるYouTubeチャンネルを視聴するのがいちばんわかりやすいと思います。

霊場巡拝いこか!~新西国38ヶ寺奉祝90周年出開帳は、令和元年6月9日まで!

てら×さいじ https://teramachisampo.com/terasaiji/detail/5765
新西国霊場公式サイト
新西国霊場会おまいりイコカTV(YouTubeチャンネル)