四万六千日(しまんろくせんにち)観音の縁日の7月10日あるいは月遅れの8月10日のこと。この日に参詣すれば四万六千日参詣したのと等しい功徳があるとされる。(岩波仏教辞典 第二版)
「縁日」とは、「神仏と衆生とが縁を結ぶ日」で、「それぞれ決まった日に特定の寺社に参詣して神仏を追念して縁を結ぶことによって、その功徳が生ずる日」とされています。
つまり、7月10日に観音様にお参りすれば、46,000日=約126年分お参りしたことになります。なんともおトク!都内では、浅草浅草寺が有名で、この四万六千日の参詣客に向けて盆飾りのほおずきを売る露店が軒を並べるようになったのだそうです。
今年は、護国寺と本駒込の光源寺へ行ってきました。
四万六千日は7月10日ですが、縁日は9日と10日に行われています。これは、何事も先取りするのが粋という江戸っ子が、いち早くご利益を得たいと、9日からお参りするようになったからなのだそうです。
護国寺へ向かったのは、夕方以降台風の影響が出そうだという7月10日の午後。東京メトロ護国寺駅の1番出口から地上に上がると、そこはもう護国寺の門前。仁王門の前には、ほおずきの露店が出ていましたが、台風の影響による強風のため、すだれや飾りを外していました。仁王門をくぐり、いくつかの食べ物の露店を横目に参道を進み、本堂へ向かいます。
護国寺仁王門前。ほおずきの露店は1軒のみ。
仁王門をくぐった広場にも、露店が並んでいます。
護国寺の御本尊は如意輪観世音菩薩。毎月18日のご縁日のほか、この四万六千日でも開帳されるので、間近で拝見することができます。しん、としたお堂でご尊顔を拝し、その穏やかな面立ちをじっと見つめてしまいました。御朱印をいただくと、「四万六千日」とも記されていました。この日、お堂では津軽三味線の演奏会もあったようです。お堂を出ると、台風に備えて垂れ幕などの飾りも早めに取り外し作業が行われていました。
本堂の飾り幕も、台風に備えて取り外し。
風の強まりだけでなく、不穏な雲からぽつりぽつりと雨粒が落ちてき始めたので、少々気が急いてきます。地下鉄を乗り継ぎ、本駒込の光源寺へ向かいました。
光源寺は駒込大観音、と言ったほうが通じるようです。光源寺では、四万六千日の2日間は「ほおずき千成り市」を開催。地域の恒例行事として浸透しているようで、境内に張られたテントに、周辺の飲食店や市民グループがさまざまに出店していました。焼きそばや焼き鳥、タイカレーなどの食べ物のほか、リサイクル着物や刺繍小物やアクセサリーなど、多種多彩。台風接近でお天気が心配な中でしたが、親子連れや学校帰りの中高生など、大勢の方がお参りされ、縁日を楽しんでいました。
ほおずきは鉢売り、枝売りなどがありました。
手前が焼きそばや焼き鳥など、奥が手づくり雑貨など。
テントの間にもほおずきが飾られていました
ステージ代わりのお堂では、熊本からはるばるいらした虚無僧の尺八演奏。小さなお子さんも竹製の尺八に興味津々。
光源寺の「ほおずき千成り市」には、おととしもお邪魔しました。そのときは非常に良いお天気で、個別のテントのうえに、全体を覆うように大きなテントが張られていました。日除けに効果的で、小雨程度なら十分のようです。しかし、今年は台風接近、風対策でしょう、大きいテントはすでに撤去されていました。
ステージとしては、虚無僧尺八演奏のほか、ジャズライブなども行われたようです。浴衣のカップルがのんびりしていたり、小さなお子さんが芝生にはだしでリズムを取ったり、デジカメを操作して写真を撮るおばあさんがいたり。にぎやかながら、ほのぼのとしたお祭りでした。
おととしの様子。「満福横丁」は有志のボランティアの方々で運営されているようです。
おととしの様子。ほおずきのほかに風鈴も。今年は台風対策でしょうか、こうした飾りつけは見られませんでした。
以上、護国寺と本駒込の光源寺、ふたつのお寺の四万六千日にお参りしてきましたが、来年は、浅草寺にもチャレンジしたいと思います。