花まつりはてらコラム(「花まつり」でお花と甘茶を)の記事で紹介したように4月8日当日に行事を行ったり、4月8日が平日の場合は前後の土日などに実施するなど、お寺によってさまざまです。今年平成27年の花まつりは、雪混じりの雨模様でした。各お寺でも、稚児行列が中止したり、例年なら屋外に設置する花御堂を本堂に設けるなど、さまざまに対応されたようです。そんなお天気ながら、いくつかのお寺の花まつりに行ってみました。
4月7日(火) 護国寺|てらまちフォト「護国寺の花御堂」
この日も小雨模様。護国寺では、毎年春分の日から花御堂を設置しているとのこと。まず、東京メトロ護国寺駅を出てすぐ、仁王門の下に花御堂がありました。広い境内の奥まで入らなくてもお参りできるようにというご配慮でしょうか。本堂前にもさらに花御堂が設置されていたので、本堂のご本尊にお参りしてから花御堂のお釈迦さまに甘茶をかけ、お参りしました。護国寺は4月8日の前の日曜日に灌仏会の法要や稚児行列(一般公募)を行っているようです(護国寺Facebookページの昨年の記事より)。
仁王門の花御堂。ちょうど、参道脇で行われている校舎新築工事の休憩時間だったようです。
4月8日(水) 鬼子母神|てらまちフォト「花まつりに甘露の雨」
この日都内は5年ぶりの4月の雪。雪といっても冷たい雨にみぞれが混じるような降り方でした。花まつりには、子どもの健やかな成長を願う意味も込められています。となると、鬼子母神は外せません。雑司が谷の鬼子母神堂は、法明寺の境外堂ですが、こちらのほうが有名で、お参りされる方も多くなっています。しかし、雪混じりの雨が降るこの日は、参拝客はまばら。生花があしらわれた花御堂は本堂の屋根の下に置かれていました。ご接待いただいた甘茶の温もりが沁みました。
ちなみに、池袋~雑司が谷近辺のいくつかのお寺を巡ってみましたが、鬼子母神のほかには花御堂には出会えませんでした(霊園近辺には花まつりの行事をされているお寺があるかもしれません)。
背後の絵馬は、子どもの健康を願うもの。花御堂は質素ながら、生花で彩られていました。
4月8日(水) 増上寺
増上寺では稚児行列もあるという情報があったので、行ってみました・・・が、やはり雨天中止で、花御堂は本堂の中にありました。今年は家康没後400年を期に増上寺宝物展示室が4月2日にオープンしたばかり。これを見にきた方も多いようで、本堂でお参りしてから、地下の展示室へ移動するという流れがありました。また、外国からの訪問客も多く、見よう見まねで花御堂のお釈迦さまに甘茶をかけているようでした。こちらでも甘茶のご接待がありましたが、晴れていれば本堂前に大きなテントを設置して、花御堂も接待所もそこに置く予定だったようです。
増上寺近辺にも塔頭がいくつかありますが、花御堂には出会えませんでした。
本堂内に据えられた花御堂。地方からいらしたのか、お坊さんがお参りされる姿もありました。
4月8日(水) 浅草寺
浅草はとにかく外国からの観光客が多い!雷門や本堂バックでなく、裏道のコンビニの前など、「なぜそこで?」と聞きたくなるようなものを背景に写真を撮っていたりして、ウォッチングをしながら歩くのも愉しいところ。浅草寺も参拝客が多いためか、複数の花御堂が設けられていました。生花を配付していたようで、蘭の花を手にした方を多く見かけました。写真は本堂に近い仁王門のところに据えられた花御堂。たくさんの方からの甘露の雨を受けるお釈迦様です。
おそらく仏教徒ではないと思われる方々も、祝福されていました。
4月11日(土) 築地本願寺
この日も昼頃まで雨が降っていました。訪れたのは夕方16時ごろ。境内にはたくさんのテントが設営されていて、翌日の花まつりの準備が着々と行われている様子。花御堂は本堂の中に設置されていました。ここも芝増上寺や浅草寺同様、観光目的で訪れる方が多く、「花まつりってのがあるのか!」とチラシを見る方などもありました。正面の門にはお稚児さんを募集する立て看板があり、「定員に達したため締め切り」の貼紙がしてありました。翌12日は晴天でしたから、稚児行列や大江戸助六太鼓、ヒーローショーなど、にぎにぎしく行われたのではないでしょうか。
今年は大きめの寺院をいくつかまわってみましたが、来年は谷中のようなてらまちをさんぽしてみるのもいいなあ、と思っています。
追記:葛飾柴又の帝釈天(題経寺)では、お稚児さんたちが外回廊でを行列、ふだんは写真撮影のできない場所で記念撮影ができたとか。
葛飾経済新聞 「柴又帝釈天で「花まつり」祝う稚児行列 雨の中庭園外回廊を練り歩き」