【クラウドファンディングでお寺ゲームをつくりたい!】
クラウドファンディングをご存知ですか? 今回ご紹介する取り組みが利用しているクラウドファンディングサイトkibidango(きびだんご)には、以下のように説明されています。
実現したい夢やアイデアをプロジェクトとして発表し、そのテーマや内容に共感した支援者から、ネットを通じて資金を集められるサービスです。Kibidangoの場合、それぞれのプロジェクトには必要な「目標金額」と「募集期限」が設定されています。募集期限までに目標金額が集まれば、プロジェクトは「成立」となり、支援者には「特典(支援額に応じたモノやサービス)」が提供されます。ただし、期限までに目標金額が集まらなければプロジェクトは「不成立」となり、支援者はお金を払う必要がありません。
つまり、誰かがやりたいコトや具現化させたいモノ=夢や希望や目標を購入=資金援助して実現させる仕組み。プロジェクトが成立(目標金額達成)すれば、支払い金額に応じてリターンと呼ばれるお礼が贈られるという流れです。
今回ご紹介するのは、東京深川の禅寺・陽岳寺の向井副住職が取り組むプロジェクト。向井さんはこれまでに「御朱印あつめ」「檀家―DANKA―」「WAになって語ろう」と、3種類のお寺ボードゲームを制作してきました。
向井さんがこうしたボードゲームを作っているのは、お寺や仏教に親しんでもらいたいという思いから。私も「陽岳寺ナツマツリ」で「御朱印あつめ」で遊び、その場で購入してしまいました!御朱印はスタンプラリーではありません。しかし、寺社へお詣りするきっかけとなったり、お詣りした記念として頂きたいという気持ちもあるでしょう。このゲームで遊ぶと、御朱印にはどういう意味があって、御朱印に記されるご本尊などがどんな仏様なのか、お像の立ち位置にはどういうきまりと意味があるのかなど、「御朱印」を通してお寺や仏教のあれこれを学ぶことができます。また、「おみくじ」が飛び道具的に組み込まれていて、プレイが断然面白くなるのです。
このナツマツリのときに、「浄土双六」が展示されていました。一目見て、意味もよくわからないのに私も欲しい!と思ってしまいました。
この浄土双六は江戸時代につくられたものを復刻した『現代語版浄土双六』。曼荼羅のようにも見えますが、双六です。しかも、きちんと仏教の世界観をあらわしているのだそうです。
向井さんは、これをさらにわかりやすく、楽しいものにして、手軽に遊んでもらいたい!
それならば立体化してみては?
ならばペーパークラフトでジオラマ化だ!と思い至ったわけです。
【浄土双六ペーパークラフトプロジェクト】
そして、そのゲームの実現に選んだのが、クラウドファンディングという手法。
クラウドファンディング「きびだんご」でのプロジェクト紹介は以下の通り。
江戸時代のお坊さんが作った”すごろくゲーム”『浄土双六(じょうどすごろく)』の現代版「遊べるペーパークラフト」を作ります!地獄、仏教世界観や仏について先生をお呼びして、一緒に学び、意見を交わすワークショップも開催します。臨済宗のお坊さんである私と、一緒にこのボードゲームを作りませんか?ペーパークラフトが完成すると、2018年8月以降、実際に家庭で遊べるサイズとして頒布いたします。ぜひ、つくろうワークショップにご参加ください。ご支援をお願いいたします!
このプロジェクトは「3D浄土双六」の制作が最終目標。通常なら、その制作資金を募るところでしょうが、私が面白い!と思ったのは、「ゲームをつくるワークショップへの参加権」がリターンに含まれていること。しかも、そのワークショップは陽岳寺で開催されるのです。江戸から続く寺町深川のお寺でお坊さんとわいわいワークショップが楽しめるってことです!
以下の図が、リターン一覧。これがわかりやすい!
ワークショップは全6回。現世・地獄・須弥山・天界・ほとけ、そしてまとめ。それぞれに登壇する講師が、陽岳寺が属する臨済宗のほか、曹洞宗や真言宗、天台宗等々、超宗派のお坊さん方。まだ調整中のところもありますが、現時点では以下の方々の予定だそうです。
◎第1回 3/6「現世編」小野卓也師:曹洞宗 三峯山洞松寺住職
◎第2回 3/12「地獄編」飯塚秀譽師:真言宗豊山派 神通山大聖護国寺住職
◎第3回 3/17「須弥山編」守祐順師:真言宗豊山派 長久山能蔵院住職
◎第4回 3/28「天界編」向井真人:臨済宗妙心寺派 陽岳寺副住職
◎第5回 4/9「ほとけ編」【超宗派クロストーク!】浄土双六ペーパークラフトプロジェクト×仏教井戸端トーク
増田将之師:浄土真宗本願寺派僧侶、仏教井戸端トーク主催
吉田龍雄師:浄土宗 霊雲山称明院 蟠龍寺副住職
藤井隆英師:曹洞宗 岩田山 一月院副住職・身心堂主催
小野常寛師:天台宗 高龍山明王院 普賢寺法嗣
向井真人:臨済宗妙心寺派 陽岳寺副住職
◎第6回 4/21「まとめ編」
仏教の世界観については、宗派によっても捉え方が異なるでしょう。ワークショップを複数回開くことで理解を深め、ディスカッションを重ね、多くの人が楽しめるゲームとして成立させるポイントを見出していこうということのようです。向井さんが今回のゲーム制作にあたってワークショップという方法を選んだのは、臨済宗の向井さんだけで作るとか、お坊さんなどお寺側の人からの意見しか求めないというのではなく、ユーザーとなるであろう一般の人々も交えることで、より広がりや楽しみが深まるゲームにしようという意図があるからではないでしょうか。
さまざまなお坊さんのお話を聞いて仏教の世界観を学び、自分なりに理解し、それがどんなふうに立体化すればいいかを考え、双六とするならどんな楽しみ方があるか。ワークショップは3月から4月にかけての2ヶ月弱。ぎゅっと凝縮された期間ですね。合間にお彼岸や花まつりもありますね。
- ワークショップに参加したい!
- とりあえずお寺に行きたい。
- 遠いから参加できないけど、できたゲームは欲しいぞ。
- とにかく向井さんの取り組みを応援したい。
- 極楽や地獄やあれこれを学びたい。
- ゲームが好きだ。
- お寺が好きだ。
支援に至るには、いろんな動機があると思います。プロジェクトはすでにスタートしていて、期限は2月23日23時59分。支援するかどうかはおいおい考えるとして、ひとまず「フォロー」してプロジェクトの動向をウォッチして、それからどのサポートにするか決めてもいいでしょう。
【プレイベント|仏教とボードゲームトークショー|1月28日(日)】
また、今週末の日曜日1月28日には、プレイベントも開催されます。こちらは参加無料。
今回のプロジェクトの詳しい説明や背景などについてのトークショーです。登壇者はボードゲーム研究家の草場純さん、編集者で『現代版浄土双六』紙ver.復刻の仕掛け人である望月哲史さん、そして向井さんの3名。こちらに参加してから、サポートを検討してもいいかも。
プロジェクトが成立した場合、浄土双六ペーパークラフトは8月ごろに完成予定。その前に、寺社フェス向源での発表もありそうです。
ぜひとも、完成を見たい!3D浄土双六で遊びたい!
【補足:このプロジェクトの応援の方法】
- kibidango(きびだんご)サイトでユーザー登録(登録のみは無料)
- ウォッチする場合=「浄土双六ペーパークラフトプロジェクト」ページで[ウォッチリストに登録する]をクリック
- 支援する場合=「浄土双六ペーパークラフトプロジェクト」ページで[支援する]をクリック⇒支援アイテムを選択
- 2月23日23時59分まで、推移を見守る