てらまちって? 〜お寺が集まる「てらまち」をめぐってみませんか?〜

寺町|お寺が集まるまち

2014.07.22

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東京都豊島区雑司が谷にある法明寺の参道。この両側には塔頭が並んでいます。

東京都豊島区雑司が谷にある法明寺の参道。この両側には塔頭が並んでいます。

手許に『地名用語語源辞典』(東京堂出版)というものがあります。この辞典で「てらまち」を引いてみます。

てらまち〔寺町〕近世城下町などで、防禦上の理由、および都市計画の見地から仏寺が集められた町、通り。

なるほど、寺町は自然発生的に形成されたのではなく、意図的・計画的に寺院が集められ、形作られていったのですね。

東京では谷中や雑司が谷、染井など、大きな墓地の付近に寺院が多く立地し、寺町と呼ばれています。谷中の場合、明暦の大火(1657年)の後、神田や日本橋の寺院が移転してきたことで、寺町が形成されました。

有名な雑司が谷の鬼子母神は、法明寺というお寺の境外堂ですが、この法明寺の周りには多くのお寺があります。谷中の瑞輪寺もそうですが、有力寺院の周りには塔頭と呼ばれる寺院が並び、寺町となっています。

石川県金沢市や長崎県長崎市などでは、市街地などの少し外側に、寺院が連なるエリアがあり、地名も「寺町」となっています。さらに、鎌倉や京都、奈良などの古都では、市街地の至るところに寺院が点在し、全体として寺町となっている都市もあります。

地名としての「寺町」は新潟県上越市、金沢市、尼崎市、松江市等々各地にあり、そこにはたいてい寺院が集中して立地しているようです。

このように、「寺町」にもさまざまな歴史的背景や成り立ちの経緯があるようですが、このサイトでは、寺院が多く集まっている地域を「寺町」として紹介します。

参考資料
『東京都の歴史散歩上 下町』『東京都の歴史散歩中 山手』東京都歴史教育研究会編、山川出版社発行

今や観光まち歩きのメッカとなっている谷中。震災・戦災を免れたので、趣ある寺町が残されています。

今や観光まち歩きのメッカとなっている谷中。震災・戦災を免れたので、趣ある寺町が残されています。

観音さまの像が据えられた長崎市寺町の一角。

観音さまの像が据えられた長崎市寺町の一角。

長崎は斜面に寺院が並びます。

長崎は斜面に寺院が並びます。

長崎市寺町で寺院がずらりと並ぶ通りはその名もずばり「寺町通り」。

長崎市寺町で寺院がずらりと並ぶ通りはその名もずばり「寺町通り」。