百花春至為誰開

2018年6月20日公開

2018年06月17日撮影

百花春至為誰開

先日、浅草寺伝法院の庭園を拝観する機会をいただきました。小堀遠州による作庭とされていて国指定名勝、普段は非公開です。この庭園が特別公開されるのは、桜や菖蒲などが咲く時季で、今はあまり花はありません。この日は小雨がぱらつく空模様で、庭園の木々もしっとりと落ち着いた緑。池の周囲を一巡りする園路を歩いていると、ふわっとした色合いの花が。一瞬、山つつじかと思いましたが、それにしても花びらが多く、やわらかそうな花弁。立ち入りできない場所なので、ズームしてみました。グラデーションが美しい。あとで調べてみたら、柘榴だとわかりました。実が成っていればすぐにわかりそうです。たまたまこの日は多くの人の目に留まったかもしれません。しかし、見られようが見られまいが、毎年咲いているのでしょう。―百花、春至って誰が為にか開く―『碧巌録』