江戸時代に徳川将軍家の七面信仰による祈祷寺として成立した亮朝院。七面堂には、七面明神半跏像や妙見菩薩像などの仏像がそれぞれ細密に作られた「宮殿」(くうでん)に納められています。七面明神は、身延山の奥の院にあたる七面山に住む天女で、日蓮上人の説法により救われたため、龍に姿を変えて身延山を守ったと伝わります。今回は、本堂や七面堂、安置されている諸像や宮殿が新宿区の文化財として指定されたため、特別公開の機会が設けられたようです。通りから見ると階段の上の赤門や鐘楼門が印象的ですが、ふだんは本堂も七面堂も扉が閉じられています。その七面堂の前に鎮座しているのが、ずんぐりとした金剛力士像。こちらは、宝永2年(1705)に納められたもので、石像の金剛力士像は珍しいということで、すでに昭和59年に文化財指定を受けています。秘仏の開帳や特別開帳じゃなくても、そこここに、貴重な資源があるんですね。
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