白金台駅のすぐ近くにある紫雲山瑞聖寺で、年に1回、1時間だけ内部公開される「大雄宝殿(だいおうほうでん)」。今年は11月1日の14~15時。本尊の釈迦三尊像が堂に比して小さすぎること、布袋尊は本来は別のお堂に安置すべきこと、小上がりは修行のための空間ではなくて大名らが座る場所であることなど、ご住職がお寺や黄檗宗の歴史と関連付けてわかりやすく解説していくださいました。建物は黄檗様式を踏襲しつつ、「中国の寺院建築ってこうなってるんだって」という伝聞に江戸の大工さんたちの技術と美意識が加味されて現在の姿となっているのだとか。確かに、総本山の宇治萬福寺や長崎の興福寺と比べると中華風味は薄いようですが、禅宗らしいさっぱり感と黄檗宗らしいおおらかさが感じられる空間でした。普段は正面の扉だけ開いているので、少々遠目に仏さまたちを拝することができ、お正月には布袋さんの前の扉も開かれるそうです。
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