本堂、新築準備中。

2015年10月7日公開

2015年10月03日撮影

本堂、新築準備中。

厳しい表情なのでしょうが、どことなく愛嬌を感じるお顔つき。宿場町の安全を見守ってきたのは観音さまでしょうか。板橋宿の旧中山道沿いにある「新築準備中」のお寺で見かけた石像です。参道だったと思しき細長い土地の傍らに馬頭観音や馬の供養塔などがかためて置かれ、その先の少し開けた更地の奥に石仏がいくつか置かれています。写真右は「明治四十一年十一月」と刻まれた供養塔で、左の観音像のほうは年号の二文字目が欠けていて読めませんが、下部に「宿内安全」とあるので、江戸時代の天和、天明、天保のいずれかの建立と思われます。境内はかつて馬つなぎ場だったと説明板に記されています。その当時は天台宗寺院だったのが、明治に廃寺となり、昭和22年に真言宗寺院として復活したのだそうです。そして今は「新築準備中」。長い歳月の中、さまざまに変遷を重ねるお寺もあるのですね。