猛暑がぶり返した先週末土曜、光誉祐華さん主催の「菩薩SONIC9〜略してボサソニ〜 江戸編」が東日本橋で開かれました。今年の増上寺「仏教イヴニングスクール・一夜一会」は光誉さんの法話(ライブ)だったのですが、私はこの時初めて光誉さんのライブを体験してしまい、超真剣にお釈迦様の教えを歌という形にして伝えようとしているその姿に感銘を受けました。そして、今回のボサソニへの参戦を決意した次第です。
こちらは5月の増上寺での法話(ライブ)の様子。「時速300kmの鹿」「三蔵法師」など、ちょっとずつクスッとするトークを交えつつ、お経や仏さまの教えを歌詞にした曲を次々に披露されました。打ち込みなどで音源を作られているのでしょうか、曲調は耳なじみのいいテクノ調のポップスです。
毎年、山田五郎さんやみうらじゅんさんなど、仏像や仏教についてのやわらかめの講演としている増上寺のイヴニングスクールですが、今年の「法話&Live」は僧侶の登壇であるにも関わらず不思議な異色感が漂う、けれども、仏教的要素の強い内容でした。
そんな光誉さんが地元奈良で開き続けてきた仏教音楽フェス「菩薩SONIC」が、とうとうお江戸・東京で開催されました。
「ぶっちゃけ寺」でお馴染みの井上広法さんを司会に、浄土宗僧侶有志による「法楽衆」の声明公演、川野真広さんの二胡演奏、そして光誉祐華さんのLIVEという内容で、途中、漫画で尼僧の悟東あすかさんも交えてのトークコーナーもありました。
ボサソニオープニングは「法楽衆」による声明。声明は宗派によって内容も雰囲気も違いますが、観覧にいらしていた東京の浄土宗のお坊さんによると、浄土宗の中でも、西日本風と東日本風とで音程やリズムなどがちょっとずつ異なるのだとか。今回の法楽衆の声明は西のほうの系統だったそうです。ピンクや黄色、緑の散華(さんか)が撒かれましたが、これは蛍光和紙を花びらの形に切り抜き、1枚1枚折り目を付けた、メンバーみなさんの手作り!有難く頂戴してまいりました。
声明で心洗われたあとは、浄土宗のお坊さん4人と高野山真言宗の悟東さんも交えてのトークコーナー。ほのぼのとした雰囲気ながら、「仏教と子育て」という超真面目なテーマでのお話でした。そういえば、「寺社の近くで育つと幸せを感じやすい」といった内容の論文が話題になりましたね。実際、お寺に生まれ育ってお坊さんになった方、在家だけれども縁あって僧侶となり子育てをしている方、それぞれに仏さまの教えの影響を受けたり、意識・無意識ながら仏教的要素を含む子育てをされているようです。
続いては川野真広さんの二胡演奏。中国の二胡の曲のほか、川野さんのオリジナル曲などを披露。生で、しかも間近で二胡の音を聴くのは初めて。ボディが小さいのに、非常にふくらみのある音色が出ることに驚きました。いかにも中華なメロディも、テクニカルな早弾きも、郷愁を感じさせる曲も、どれも楽しめました。
最後は光誉さんのライヴ。増上寺の時と同じように、ところどころで美しい毛筆の札を掲げ、仏さまの教えを歌に乗せて伝えます。ちょっと笑わせてくれる流暢なMCはきっちり計算されていてスムーズに仏さまの教えにつながり、曲に入っていきます。命のこと、日々の自分のこと、さまざまに思い至りながら、伸びのある歌声にひたりました。
ラストは「光」という曲を法楽衆、川野さんの二胡とともに。
すべて終わってから、司会の井上さん、物販の悟東さん、ck♡shopさんも加わり、全出演者で記念撮影。
終了後、悟東さんの『教えて!仏さま』(じゃこめてぃ出版)を購入、当日だけのスペシャルで、サイン代わりの似顔絵を描き入れていただきました!
ポップな歌を通じて仏教に少しでも親しんでもらいたいという光誉さん、漫画・イラストで仏さまの教えを伝えようという悟東さんなど、一見変わったアプローチながら大真面目に、真剣に取り組んでいらっしゃる方々が集まったイベントでした。会場はお寺ではなかったのですが、こういう場で仏教に親しみを抱き、興味・関心をもってお寺へ行ってみようという方が増えてくれるといいなあと思いました。
次回、光誉さんの法事(ライヴ)は、9月9日重陽の節句に、光誉さんの自坊奈良の西迎院にて『お寺ソニック4~略してテラソニ~』にて。テラソニではご住職の仏教講座もあるそうです。近畿方面のみなさま、ぜひ参戦してみてくださいね!