仏教井戸端トーク主催の「さんぽで仏教プラクティス」に参加。3つのお寺でのプチ修業を体験し、そのあいだをまち歩きでつなぐという内容です。実は参加した私、2週間ほど前に転んで足を怪我しました。お寺での体験です。坐禅どころかそ床座できない………とビビっていたら、主催事務局の増田師が「だーいじょーぶですっ!お寺なんですから、そのくらい対応できなくてどうする!」と力強いお言葉をいただきました。
今にも泣き出しそうな曇り空のもと、1軒目の鳥越にある浄土宗長寿院に集合。
長寿院北川師がお寺の成り立ちやご本尊の謂れ、そして浄土宗におけるお念仏の意義などを丁寧にご説明くださいました。そのうえで、いよいよ全員でお念仏。
浄土宗の鳴り物は後打ち、つまり裏拍で、なかなか難しい。それでも途中「十念」でのお焼香をはさみながら、約20分お念仏をお唱えしました。「なむあみだぶ」と延々やっていると、少しずつですが、お念仏に集中していった感じです。
駅でいえば蔵前に近い長寿院さんを後にし、北川師のご案内のもと、次のお寺へ向かいます。北川師のご説明は蔵前の歴史ダイジェストと付近のお寺にある史跡、そして最近話題のスポットなど、新旧織り交ぜてで、「ほぅ、へぇ」と頷きながらのおさんぽとなりました。
そして到着したのは、臨済宗金龍寺。ここでは臨済禅での坐禅を体験。なぜ坐禅をするのかという並木師のご説明とともに、坐禅の方法、姿勢等をご指南いただきます。警策での打ち方、打たれ方についてもご説明がありました。
坐禅自体は10分くらいだったと思います。真言宗の阿字観は体験したことがありましたが、臨済禅は初めてでした。警策を見るとやはり「これこれ、坐禅といえばこれ!」と感じます。今回は椅子坐禅になってしまったので、次はちゃんと足を組めるようになってからのぞみたいです。
金龍寺さんを出ると、生憎雨がぱらついてきていました。しかし最後の浄土真宗緑泉寺へは、徒歩数分。「暗闇ごはん」で知られる青江師のお寺ですが、今回はお料理ではなく、声明。てっきり青江師の声明を静聴するのかと思ったら、自分たちが唱えるのでした!
七言四行でワンセット、全部で60行420字。この、各行での節回しや上げ下げ、リズムやテンポにパターンがあり、それを青江師がひとつひとつ説明してくださいます。しかし習うより慣れろ、ということでみんなで詠み合わせていきました。小学生の頃の合唱や、秋祭りの横笛などを思い出しましたが、そんなことを考えているヒマはありません。漢字に振られた読みと記号を追い、青江師の声を追うので精一杯。青江師の10歳くらいの娘さんも参加されていましたが、ソラで唱えられるそうです。青江師のお寺では毎朝のおつとめでこの正信偈を唱えるので、子どものうちに節回しと一緒に身体に染み付いてしまうのだそうです。
13時半から17時半という少々長丁場ですが、長さはまったく感じられず、「え、もうおわり?!」という感じでした。一か所でひとつのことをじっくりもいいですが、いくつかの場所、しかも宗派の異なるお寺でお坊さんにご指導いただくといこに企画、われわれ一般人にはとっても楽しいものでした。これなら中学生くらいからでも参加できそうです。
仏教井戸端トークでは、これからも同様の企画を別の場所でも展開するようです。期待しましょう。