仏教アレコレ 〜身近なのに意外と知らない仏教についてまなびましょう〜

朝の習慣、お寺の習慣

2018.08.07

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清澄白河

江東区

茶道

7月から清澄白河のお寺で朝活、始めました!

茶道家の武井宗道さんが、だいたい週イチくらいのペースで朝茶会「朝茶habit!」を開催しています。

正覚院さんは清澄白河駅から徒歩3分、霊巌寺の山門前にある浄土宗のお寺です。この写真の左が正覚院、正面突き当たりに霊巌寺があります。右手は出世不動で知られる長専院です。

20180702_正覚院

宗道さんはもとは遠州流ですが、流派や形式ばかりに捕われず、お茶を暮らしの中に取り入れていく提案もされています。たとえば、船上茶会。日本橋エリアの川をクルーズしながらお茶を点て、味わうもの。衝立の向こうに見える橋は日本橋です。

20160430_船上茶会

とあるお寺の檀信徒さん向けに、「気軽なお茶の練習会」を開催。私もそうでしたが、ほとんどの参加者がお茶を自分で点てるのは初体験。相手に美味しいと思ってもらえるよう、一生懸命になります。お茶や茶道の歴史や、植物として、薬としてのお茶のことなどもわかりやすく講義したうえで、お茶を点てる心について説明していただいたので、構えることなく、すんなりと初めてのお茶を点てることができました。

20180617_お茶の練習会

そして、7月から始まった「朝茶habit!」
宗道さんがいつもおっしゃるのが「お茶は世界最速の文化」、つまり器にお茶を入れて、お湯をそそげば20秒、それをクイッといただけば1分もかからないのが、お茶というわけです。そして、なぜこの朝茶を始めたかについては、「茶道は敷居が高い、お寺も敷居が高い、その2つの高いもの同士を掛け合わせて、気軽に楽しんでもらいたい」と仰っています。

朝茶habit!は、正覚院の書院にて6時半から9時半まで開かれています。こちらは本堂、朝茶の時間はまだ開いていません。本堂に向かって右手に書院のある建物があります。

20120420_正覚院

書院は畳敷き。近頃はバリアフリーの観点から、畳敷きでも椅子座のお寺が増えています。宗道さんは、最近は普通の住まいでも減ってきてしまった畳に触れる機会にもしたいと仰っています。
そして、浄土宗の宗祖法然さんのお軸の前で、一服ずつ丁寧に、けれどもササッと点ててくださいます。その所作を拝見しているだけでも飽きません。

20180807_宗道

この写真では大変真剣なお顔をされていますが、朝茶の場全体としてはとても和やかで、宗道さんもお話をしながらお茶を点てたり、初対面の参加者同士が雑談をしたり、じっくりとお茶碗の中のお茶を見つめ続けたりと、思い思いの朝のひと時を過ごします。なんとなく、お寺の坐禅会や法話会などに参加して、一期一会のご縁をいただくのに似ているような気がします。

20180807_お茶

ご用意くださるお茶は、その時々で変わってくるようです。冷たい水でお茶を点てていただくこともできます。今朝は挽きたてのお茶を、芋餡のお菓子とともにいただきました。シナモンの風味をまとったほんのり甘いお芋と、しっかりとした旨みのお茶がとてもよく合いました。そう、お菓子も毎回季節のものや地域の銘菓などが用意されて、2~3種類の中から選ぶことができるのです。

駅から数分と大変便利な場所ですが、ご近所さんや付近にお勤めの方ばかりでなく、出社前に少し遠回りしてやってくる方も多いそうです。前回は木更津の方も、東京での用事のついでにおいでになったとか。とはいえ、そうとう早い時間におうちをお出になったのではないでしょうか? 向かいの霊巌寺のお掃除の方が一仕事終えてやってきたり、近くの小学校の子どもさんが親御さんと一緒に来たり、ラジオ体操帰りの子どもさんが集団でやってきたりと、さまざまな方々が朝茶を体験されています。

こうしてこの1か月ほどですっかり朝茶にはまってしまいましたが、怪我で入院した最中も毎日コーヒーを欠かさなかったほどのコーヒー中毒。確かに、コーヒーを自宅でドリップすると数分かかり、熱いとすぐには飲めません。お茶とは味わうスタイルが違います。

サードウェーブやスペシャルティコーヒーのお店が増えて、すっかりカフェのあるお洒落な街と化してきたような清澄白河ですが、土台は下町、寺町です。私は書院に上がる前に、扉は閉まっていますが、本堂にお参りするようにしています。その後、畳の上で、サラッとお抹茶をいただくと、身体も気持ちもスッキリします。

「朝茶habit!」、そのタイトル通り、出勤前の一服のお茶が習慣になるといいですね。

【朝茶habit!】

開催日程は、宗道さんのフェイスブックページに掲載されます。
https://www.facebook.com/sototakei/

(以下、フェイスブックページの紹介より)

朝の一服に、お抹茶を。

抹茶のカフェイン効果で目覚めが良いことは知られていますが、一杯のお茶で三時間も腹持ちするということはご存知でしょうか?
通勤途中でクッと一服。
朝をぐっとスマートにスタートさせる一服です。
忙しい現代人にこそ、新しい習慣《朝茶habit》

【朝茶】
朝茶とは、お茶の世界で日の出前から始まる茶会のことを言います。
良い一日のスタートを切るために、お茶を飲むことで、心と体を整えるのです。【朝茶habit】では朝6時半から 9時30分の通勤、通学時に一服300円で茶人がその場で点てたお茶を提供します。
忙しい出勤前に、朝食を食べそこなった時に、眠気をさっぱり覚ましたいときに、一服飲むだけで、朝からフル活動できます。

【点てる人】
茶人武井宗道
清澄白河出身在住。
武家茶道である遠州流の内弟子を経て、独立。
現在は流派に依らない茶会を多数開催。
清澄白河にて、無流派のお稽古場を開いています。
なんでも相談に乗ります。

【メニュー】
抹茶一服300円

【時間】6:30ー9:30
茶会形式ではありませんので、
お好きな時間にお立ち寄りください。
パッと点てるので、パッと飲んで、パッと出勤できます。

【場所】
正覚院
江東区三好1-7-7
(清澄白河駅A3出口徒歩2分)