今年の夏は殊に暑かったですね。「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。お彼岸の期間にお詣りするのが「江戸六阿弥陀」です。
與楽寺でいただいた資料によると、六阿弥陀の由来は以下の通り。
六阿弥陀由来 聖武天皇の御時、この地方に足立少輔某というものがおり、その娘が近郷の豊島左衛門清光という長者に嫁したが、故あって離婚となり沼田川に身投げし、その侍女五人も殉死した。足立少輔某は悲嘆やるかたなく諸国の霊場を巡拝したおり、紀州熊野山において杉の霊木を得て、これを海に投じたところ当地に漂着した。たまたまそこへ行基が行脚されて、亡女等の菩提のために少輔某の請いによって、六体の阿弥陀仏像が造られたといわれている。
この六体の阿弥陀像が安置されているのが、以下のお寺です。
- 一番 西福寺(さいふくじ) 北区豊島2-14-3
- 二番 恵明寺(えみょうじ) 足立区江北2-4-3
- 三番 無量寺(むりょうじ) 北区西ヶ原1-34-8
- 四番 與楽寺(よらくじ) 北区田端1-25-1
- 五番 常楽院(じょうらくいん) 調布市西つつじが丘4-9-1
- 六番 常光寺(じょうこうじ) 江東区亀戸4-48-3
- 木余 性翁寺(しょうおうじ) 足立区扇2-19-3
- 木残 昌林寺(しょうりんじ) 北区西ケ原3-12-6
一番 西福寺
二番 恵明寺
木余 性翁寺
木残 昌林寺
三番 無量寺
四番 與楽寺
五番 常楽院別院
五番 常楽院
【江戸六阿弥陀のあるきかた】
下のマップを見るとわかるように、隅田川を挟んで足立区と北区に集中し、川の下流に向かって上野、亀戸に点在します。1軒、離れて調布にあるのは、お寺が戦災に遭って移転したためです。
江戸六阿弥陀を一番から順に回るなら、たとえば、以下のような流れができます。(お寺の滞在時間は15分程度として計算)
- 9時30分:一番西福寺
- (バス利用約15分)10寺30分:二番 恵明寺
- (徒歩7分)10時55分:木余 性翁寺
- (バス利用約30分)11時40分:木残 昌林寺
- (徒歩約7分)12時:三番 無量寺、昼食
- (徒歩約20分)13時30分:四番 與楽寺
- (バス利用約20分)14時:五番 常楽院別院
- (電車利用約40分)14時50分:六番 常光寺
- (電車利用約1時間)16時10分:五番 常楽院
丸一日かければ、六軒+木残・木余、移転先と、すべてをまわりきれそうです。お彼岸の期間だけ、御朱印を授与くださるお寺もあるようですが、時期はお彼岸。お詣りの際は墓参の方々や法事の邪魔にならないように注意しましょう。また、法事中などは無理に御朱印をお願いせず、しばらく待たせていただく、周辺を散策してから戻る、あきらめて別の機会にするなど、臨機応変に。また、健脚に自信があるなら、田端の與楽寺から上野の常楽院別院までは、谷中を経由して歩いていっても楽しめそうです。
今年平成27年は9月20日が彼岸の入り、中日が23日、明けが26日となっています。また、今年はシルバーウイーク! 19日(土)、20日(日)、21日敬老の日、22日国民の休日、23日秋分の日と、5連休できる方も多いでしょう。1日で回りきらなくても、2日くらいにわけて、駒込や亀戸の商店街散策や、隅田川・荒川付近での散策やランチ、上野の博物館・美術館と併せてもよさそうですね。お寺が比較的広範囲に立地しているので、さまざまな愉しみ方がありそうです。