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か わ り た い ― 向源2017 声明公演

2017.05.11

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5月6日、中目黒の正覚寺さんで開かれていた寺社フェス「向源」に行ってきました。今年は、日程も場所も、運営形態やワークショップの数も、規模を拡大し続けてきた昨年までとは大きく変化しました。2015年は増上寺で2日間の開催、昨年2016年は増上寺に加え、日本橋エリアに範囲を広げた3日間の開催でした。寺社フェスの可能性を最大限感じさせてくれた2015年、寺社を軸に日本文化の魅力を伝えてくれた2016年だとすると、今年2017年は寺フェスとは何か、お寺でイベントをすることの意義は?といったことを考えさせてくれた2日間でした。

この3年間で毎回楽しみにしてきたのが「声明公演」。日蓮宗、天台宗、真言宗の三宗派合同での公演です。2015年は増上寺会館、2016年はコレド室町の日本橋三井ホールと、舞台と客席に分かれたまさに「公演」でしたが、今年は正覚寺の本堂。お寺のお堂でお経を聴くのは専ら法事の席ですし、導師様のほか1、2名の僧侶による読経という場合がほとんどかと思います。しかし、足のシビレとの戦いだったりして、読経を味わうということはあまりないかもしれません。その意味で、公演の形で声明を体験できるのは、声明そのものを味わえる絶好の機会です。

「かわりたい」をテーマに開かれた今年の向源ですが、毎年恒例の声明公演がどう違うのか、3年分のみですが、振り返ってみようと思います。

2015年の声明公演@増上寺会館

20150503_木剣加持

日蓮宗声明師による木剣加持。打ち鳴らされる木剣と声量の迫力。

20150503_天台声明

天台宗僧侶による声明。たゆたうような声。

20150503_真言宗

真言宗の法楽太鼓。勇壮な響きの法螺貝と太鼓。

 2016年の声明公演@日本橋三井ホール

20160503_向源声明日蓮宗

ステージは低め、照明はスポットなので、日蓮宗の白い法衣はより白く映ります。

20160503_向源声明天台

天台声明の音色は薄暗がりの中から流れ出てくるイメージでした。

 

20160503_向源声明真言

真言宗の法楽太鼓は、闇を打ち破るような強さでした。

2017年の声明公演@正覚寺本堂

20170506_向源声明日蓮

日蓮宗の声明師になるには厳しい審査があるそうです。これだけの人数を集めるのは大変なことだとか。

20170506_向源声明天台

天台宗の歌うような声明で仏さまをもてなします。

20170506_向源声明真言

堂内に太鼓と法螺貝の響きが充満。濃密な空間。

 いかがでしょうか。一参加者として撮影した画像ですが、明らかに今年の声明公演が以前と違うのがわかるでしょうか。オーディエンスとして鑑賞するというより、声明の響きに包まれる状態です。最前列ではありませんでしたが、僧侶ひとりひとりの息遣いがわかるほどの近さ。その真剣さが参列している我々にも伝わり、隣の人ともその緊張感を共有したような気がしました。講堂やホールであっても、伝わるものは伝わるし、身体の芯に響くような感覚は得られると思います。しかし、しかるべき空間―寺院本堂で声明を間近に聴いたことは、本当に格別の体験でした。

「お経を読んで拍手をいただく機会はめったにありません」と、向源代表の友光さんは仰いますが、特に今年、拍手がしにくかったのは、作品鑑賞ではなく、法悦にひたったような感覚を味わったからだと思います。

「いかがでしたか」―そのあとに続く友光さんのあいさつは、この、Facebookの記事でお読みください。

か わ り た い ― 公式サイトには、このテーマは「参加者の声」にヒントを得たと記されています。しかし、今年の向源のDMを見たときに、これは友光さん自身の心の声なのではないか、と感じました。7年目の向源、今年がターニングポイントであることは間違いなさそうです。

個人的には、声明を、それも宗派を超えて同時に体感させてくれた向源の声明公演が、場所や方法などが変わっていったとしても、これからも続いていくことを願っています。