てらまちフォト一覧

本郷の住宅地に座する十一面観音

「本郷もかねやすまでは江戸のうち」の本郷三丁目交差点面して建つ「本郷薬師」の鳥居。それをくぐった先にあるお薬師さんの祠は小ぢんまりとしています。その脇に「十一面観音」と矢印が示された誘導サインがあるのに気づきました。それに従って奥へ行ってみると、写真の観音さまが住宅地の路傍に鎮座しています。蓮華座には「享保五庚子歳九月」と彫られ、説明板には戦災で焼失した天台宗真光寺にあったものだとあります。増長四尺八寸=約145cm、台座と蓮華座とで1.5mくらいありそうですから、見上げる高さに鎮座する十一面観世音菩薩さまです。周囲は柵囲いと植栽が施され、御前にはお花も飾られているところを見ると、お寺が移転したあとも、地域に大事にされていることがわかります。本郷あたりはときどき散歩していましたが、こんな露仏(結果的にですが)があるとは。やはり、ちょっと裏へ、ちょっと横道へ、逸れてみるもんですね。

本郷の住宅地に座する十一面観音

2015年10月27日公開  2015年10月25日撮影

秋の風物詩べったら市

日本橋七福神の恵比寿さんは寶田神社のべったら市、今年も行ってみました。べったら市は恵比寿講から始まったとのこと。江戸中期にはすでに賑わっていた縁日で、恵比寿講の10月20日の前日、19日に日本橋の道具屋が講に必要な道具類を並べた屋台を開いたところから始まったそうです。現在はべったら漬だけでなく、花や道具、飲食の屋台がずらりと並ぶ日本橋の秋の風物詩となっています。今年は20日の20時近くに行ったら、神社へのお詣りにも行列、屋台と屋台の間の通りも人で埋め尽くされ、いつまでこの賑わいは続くのやらという状況でした。腹ペコだったので何かをつまみたかったのですが、屋台脇のテーブルなどにも空きスペースは無く・・・。少し早めの時間にうかがって、グループでワイワイ愉しむのがよさそう! 来年こそは!

秋の風物詩べったら市

2015年10月22日公開  2015年10月20日撮影

奇跡のような場所

すみません、お寺とは関係ありません。ただ、東京をおさんぽしていると、どうにも気になる場所にちょいちょい出くわすのです。ここは、神田駅近くの高架下。御徒町-秋葉原のようにクリエイターのための場が作られたり、神田万世橋のようにオシャレなショッピングスポットに生まれかわったり、高架の耐震工事のために有楽町あたりのガード下は店舗が移転するなど、ここ数年激変のガード下事情。そんな中、ここは奇跡とも呼べる場所なのではないでしょうか。訪れたのは土曜日の昼前。東京駅から北上して、点在する寺院をめぐろうかとうろうろしていたときに、突然現れた空間。ザ・昭和。居酒屋やスナックなどが軒を並べています。おそらくご常連は付近のサラリーマン、あるいはご近所さん。行灯やネオンが点る夜はまたまったく違う表情を見せるのでしょう。

奇跡のような場所

2015年10月20日公開  2015年10月17日撮影

賑やかな神楽坂の穏やかな境内

神楽坂では「まち飛びフェスタ」が開催中。歴史と文化の交差点と称して、さまざまな催しが行われています。この日は「化け猫フェスティバル」が行われていて、親子連れや着物姿の男女などが思い思いの猫に化けて通りを闊歩。お互いの写真を撮りあっている猫たちに外国人観光客がカメラを向けるという様子がおもしろかったです。神楽坂界隈には毘沙門天の善國寺をはじめ多くの寺院が点在します。神楽坂上の交差点には、天台宗の安養寺があります。こちらは平安時代に開創、江戸時代にこの場所へ移転してきたとのこと。通りに近いほうのお堂に大聖歓喜天(聖天さま)が、奥の2階建てにご本尊の薬師如来の大仏が安置されていました。けして広くはない境内ですが、弁才天や子育て地蔵、出世地蔵も緑豊かな中に祀られ、通りの喧騒とは打って変わって静かな気配が漂っていました。

賑やかな神楽坂の穏やかな境内

2015年10月19日公開  2015年10月18日撮影

新河岸川を見つめる石仏

川越の発展を担った新河岸川。川越城下と江戸を結ぶ舟運が盛んだったそうです。その河岸が点在する沿川にあるのが、蓮光寺。室町時代の創建で、鷹狩りにきた際に立ち寄ったという記録もあるようです。新河岸川のほとりに広い境内を構えるこのお寺は、藩主が舟に乗って参拝に訪れたともいいます。春には堤防の桜並木、秋には境内の紅葉など、四季を愉しめるようです。初秋のこの日は、トンボがたくさん飛び交っていました。堤防を歩く子どもたちや散歩の人々、風にそよぐススキのくさむら、その足下を跳ねるバッタ、夏の名残の日差しを受けて光る水面。慰霊塔の石仏は、いつからこうした季節の移ろい、人々の営みを見続けているのでしょう。

新河岸川を見つめる石仏

2015年10月15日公開  2015年09月30日撮影

光。糸。つながる過去・未来。

「回向とは、自ら収めた功徳を他者へと回し向けることを意味する仏教用語」

昨日ご紹介したガムラン+能の公演は、「回向――つながる縁起」展の関連イベントで、“「結の会」発足並びに「文由閣」建立記念”と銘打たれていました。この写真が新堂文由閣です。ガムラン公演のあと、中を拝見。五階建ての新堂は、いわゆる伝統的な寺院建築ではありませんが、四百年の歴史を有する禅寺がこの先百年を見据えて建てたもの。建具や仏具のひとつひとつにも日本各地の伝統工芸品を用いるなど、こだわりをもって調えられています。幹線道路に面して建つ新堂は、外構の草木のシルエット越しの光で浮かびあがっていました。
展覧会のメインに、「光の佛陀」がありました。光ファイバーによって外界の光を集めて座仏を現したもので、輪郭がゆらめく様子が非常に印象的で、さまざまに思いを巡らせながらしばらく眺めていました。展覧会終了後、この文由閣に設置されるそうです。

光。糸。つながる過去・未来。

2015年10月14日公開  2015年10月09日撮影

寺×ガムラン×能

四谷にある東長寺の本堂で、ガムランと能楽のコラボレーション作品を鑑賞。ガムランはバリでも寺院で行われることが多く、私も10年以上前ですがバリ旅行の際に毎晩あちこちの寺院へ行ってさまざまなガムランを観覧しました。バリはヒンドゥー教で、ガムランは神々に捧げられ、その内容も土着の物語や神々を描いたものだったりします。今回の演目は「月蓮雫(げつれんな)~スタソーマ物語より~」。須弥山での修行、インドラ=帝釈天による救済への導きなど、バリの伝説と仏教とが結びついた内容で、主人公の王子スタソーマを演じたのが能楽師・津村禮次郎氏でした。ガムランの打楽器と大鼓(おおつづみ)、バリ舞踊の唄と能の謡、異なる文化芸能が素晴らしく融合していました。
今回は「『回向 ―― つながる縁起』展」のイベントとして行われたものです。素晴らしいものを拝見できる機会に恵まれました。

寺×ガムラン×能

2015年10月13日公開  2015年10月09日撮影

池袋から徒歩15分 最上稲荷

お寺の境内に稲荷などのお社があるのは珍しいことではありませんが、これだけ並んでいるとさすがに壮観です。ここは池袋の繁華街の北東、静かな住宅地の中にある妙経寺。お寺のHPによると、伏見稲荷、豊川稲荷と並んで三大稲荷とされる岡山最上(さいじょう)稲荷の関東別院だそうです。大正元年(1912)に創建とのこと。池袋が栄えるのは戦後のことで、それ以前は畑地だったようです。そんな中にお稲荷さんができたというのは、やはり明治以降東京に人口も農地も増え、五穀豊穣を祈る人々が増えたからかな、と想像しますがどうなんでしょうか。妙経寺さんは日蓮宗のお寺ながら、お稲荷さんを中心に据えているようですし、ペット供養もされています。それででしょうか、境内や周辺に猫に多く出会いました。

池袋から徒歩15分 最上稲荷

2015年10月8日公開  2015年10月03日撮影

本堂、新築準備中。

厳しい表情なのでしょうが、どことなく愛嬌を感じるお顔つき。宿場町の安全を見守ってきたのは観音さまでしょうか。板橋宿の旧中山道沿いにある「新築準備中」のお寺で見かけた石像です。参道だったと思しき細長い土地の傍らに馬頭観音や馬の供養塔などがかためて置かれ、その先の少し開けた更地の奥に石仏がいくつか置かれています。写真右は「明治四十一年十一月」と刻まれた供養塔で、左の観音像のほうは年号の二文字目が欠けていて読めませんが、下部に「宿内安全」とあるので、江戸時代の天和、天明、天保のいずれかの建立と思われます。境内はかつて馬つなぎ場だったと説明板に記されています。その当時は天台宗寺院だったのが、明治に廃寺となり、昭和22年に真言宗寺院として復活したのだそうです。そして今は「新築準備中」。長い歳月の中、さまざまに変遷を重ねるお寺もあるのですね。

本堂、新築準備中。

2015年10月7日公開  2015年10月03日撮影

てらさんぽ、ねこもさんぽ

板橋から池袋に向かって歩いていたら、道の先をひょいと猫が横切りました。早足で追ってみると、そこはお寺の門前。駐車場には道を横切った三毛を含め3匹の猫がいました。暑~い夏の間、どこに身を隠していたのでしょうか。このところはかなりの頻度で猫に出会います。本堂と、境内にあるお稲荷さんにお詣りし、門近くへ行くと、先ほどの三毛は墓地の入口に佇んでこちらをジーっと見つめています。まだ若いのか、好奇心は旺盛なようで、こちらを気にしつつ、つかず離れずの距離を保っていました。

てらさんぽ、ねこもさんぽ

2015年10月6日公開  2015年10月03日撮影

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