会いにいける秘仏

2018年5月9日公開

2018年04月28日撮影

会いにいける秘仏

「みらい平」―長閑な田園地帯を走るつくばエクスプレスの、いかにも新興住宅地と思われる駅名。その整然と整えられた住宅地を歩き、急に農村集落っぽい雰囲気に切り替わるあたりに、お寺がありました。旧道と思しき道路から延びる参道にある古めの説明版には、「善空寺は、文明三年に結城市弘経寺より納所され、本尊阿弥陀如来立像は、一刀三札の秘佛です」とあります。本堂の前で手を合わせていると、ちょうど法事から戻られたご住職にお話を聞くことができました。境内のイチョウは樹齢約500年。お寺の創建はさらに遡った約600年前とのこと。説明版には「秘仏」とありましたが、先々代のご住職が「こんなに慈悲深い阿弥陀さまは、ぜひ多くの人に拝んでいただきたい」と、いつでも拝観できるようにしたのだそうです。ということで、本堂に上がらせていただき、その柔和なご尊顔を拝することができました。基本的には閉めてあるけれども、寺務所に声がけして、ご不在でなければ拝観できるそうです。