府中は大国魂神社や立派な参道のけやき並木が有名ですが、旧甲州街道沿いに点在するお寺めぐりも楽しい街です。称名寺は大国魂神社の北西に位置する時宗のお寺。境内の説明板には天慶3年（940）の起立とありますから、千年以上の歴史を有する古刹です。旧街道のほうから北に延びる参道を通り、山門をくぐると、右手に地蔵堂があります。その正面の賽銭箱の上にずらりと並べられているのが、この絵馬。日限（ひぎり）子育地蔵尊というようで、称名寺のサイトには「日本三大子育て地蔵」と紹介されています。絵馬の前にはお米が置かれていて、祈願のときのお供えなのか、それとも願いが成就してのお礼なのか。いずれにしても、親御さんの子供への深く強い愛情を感じた光景です。