百観音公園の滑り台の前世は

2016年8月29日公開

2016年08月27日撮影

百観音公園の滑り台の前世は

ここは中野区沼袋のとある公園。この石の滑り台、台座下部の石積みといい、安定した方形といい、妙に据わりが良いですよね。実はこれ、もとは鐘楼です。この周辺はいくつかお寺が近接しているエリアで、ここは明治寺の境内の一部を区が借り受けて百観音公園として供用されています。百観音とも称する明治寺にはお庭に多くの観音様が安置されています。明治天皇崩御にあたって観音石像を建立したのがお寺の起源で、大正年間に本堂等伽藍も整えられたものの、第2次世界大戦では鐘楼を供出。戦後そのまま残されていた台座が滑り台になりました。最近都市部では、公園や遊び場などのあり方や空間の確保がニュースに取り上げられるほど問題となっています。この日は生憎の雨で遊んでいる子供はいませんでしたが、こうして境内が公園となっていたり、お寺の施設が遊具に変身していたりするのを見るにつけ、お寺には地域諸問題解決の種が埋もれているなと感じました。