えのしまみち、道標、庚申塔、戻りの松

2016年5月17日公開

2016年05月15日撮影

えのしまみち、道標、庚申塔、戻りの松

湘南モノレール湘南江の島駅から数分歩いただけで、江戸時代初期に杉山検校が寄進したという江島神社への道標、寛文庚申供養塔、西行戻り松と、地域の歴史に触れるものに出会いました。この庚申塔、「南無妙法蓮華経 帝釈天王」と刻まれていて、日蓮宗系のもののようです。このスタイルはこれまであまり見たことがありませんでした。三猿もくっきりしています。もう少し北へ歩くと、「西行戻り松」という説明板があります。「夏枯れて冬ほき草を刈りに行く」―ここで歌われている草は、夏に枯れて冬に生長し、春に刈り取られる麦。西行が鎌を持つ童に「どこへいく」と訊ねたら、この見事な歌で返したため、西行は驚いてもと来た道を引き返しました。それがここ、「戻り松」だといいます。藤沢近辺の麦の収穫、麦秋は6月半ばごろのよう。童と西行の出会い、庚申講に励む人々、人を思いやって道標を立てた杉山検校、古いみちには有名無名、さまざまな歴史が眠っているのでしょう。