中国風の禅寺で鐘を撞く

2015年11月24日公開

2015年11月20日撮影

中国風の禅寺で鐘を撞く

お寺が密集して立地する上野の東側。東本願寺のような大きな境内・お堂のお寺もあれば、一般の住宅の表札に寺名が刻まれていたり、ビルの下層階のお寺もあります。そんな寺々をめぐっていたら、中国風のお寺に遭遇しました。萬年山祝言寺、曹洞宗。丸みを帯びた楼門と鐘楼、枯山水風の前庭、日本寺院らしい造りながら黒くシックな本堂。全体にさっぱりとした設えで、料理でいえばヌーベルシノワといったところ。山門の上部入口には「十七羅漢堂」と記され、小さな羅漢さんたちとともに鑑のように研かれた丸い石板がありました。神社のご神体みたいだな、と思っていたら天井に「自ラヲ灯トシ 法ヲ灯トセヨ 釈尊」と刻まれていました。自らを観よ、ということなのでしょうか。鐘楼の下部は供養塔となっていて、橦木から垂れ下がった紐を引いて鐘を撞く仕組み。お寺の方にどうぞと勧められ、ひとつ、撞かせていただきました。柔らかな残響をしばし味わいました。