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日光道中粕壁宿へ円空さんに逢いにゆく

2016.05.06

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イベント

円空

埼玉県

宿場町

春日部市

特別拝観

埼玉の春日部にあるお寺で、7体もの円空仏が一挙に公開されるとの情報を入手。GWの3日間、本堂で拝することができるということで、電車でGo。

北千住で乗り換えたのが、東武線の快速会津田島行き!目指すお寺は北春日部が近いのですが、快速は止まらないし、春日部のまちも歩いてみたいので、春日部駅で下車しました。

 20160505_春日部駅

なんの前情報もなく、事前の下調べもせずに降り立った春日部、どことなく風情を感じるまちなみです。歩いていて目に付くのが、「粕壁」の表記です。なるほど、日光道中・奥州道中の宿場町だったのですね。粕壁宿は江戸日本橋から数えて4番目。日光道中の道標も残されています。

20160505_粕壁神輿蔵
春日部駅近くで見かけた「粕壁宿」の表記。近年復興された神輿が見られます

 

20160505_日光道中道標

日光道中道標|西南いわつき 東江戸 と記されています

円空仏の特別拝観のお寺、小淵山観音院さんへは、旧街道に平行する大落古利根川を渡るのですが、その川の手前に「寺町」があるようなので、そのまま歩いてみます。

20160505_街道沿い住宅蔵

旧街道沿いには、商家などの名残でしょうか、蔵や古い木造住宅が散見されます

21060505_商店

永島庄兵衛商店|慶長年間創業の米穀問屋

20160505_永嶋商店屋根

永嶋商店の屋根に乗るのは、魔除の鍾馗様

「寺町」 は通称のようです。普門院、最勝院、成就院、妙楽院などが並びます。

20160505_寺町

画面右手が普門院、正面が最勝院

寺町をあとにし、北へ向かいます。大落古利根川を渡りしばらく北上すると、道標がありました。

20160505_古利根川

旧古隅田川と大落古利根川の合流部。水面に映る緑と空が美しい

20160505_小渕道標

観音院へ向かうと、追分のようなところに「青面金剛」の道標

さらに北上し、国道16号を超えるとほどなく、円空仏祭が開かれている観音院へ到着。やはり車で来場される方が多いのでしょう、お寺の近くになって急に人が増えました。仁王門手前の受付で寄付、案内のチラシなどをいただいて境内へ。

円空仏祭の会場、小淵山観音院

円空仏祭の会場、小淵山観音院

20160505_笙

仁王門の二階から流れる笙の響き

 なにはともあれ、本堂のご本尊へお詣りをと思ったら、内陣の御本尊・御前立本尊の手前、外陣に7躯の円空仏が安置されていました。ここ観音院は修験道本山派という宗派の神仏習合のお寺で、そのため、お詣りにも「二拍手」するという説明書きがあります。まずお詣りし、堂内へ上がると、ちょうどボランティアの方の説明が始まったところでした。この円空仏祭、春日部市民のボランティアの方々の働きかけで始まり、毎年の運営もボランティアさんによるものなのだそうです。観音院さんは檀家を持たないお寺のため、運営にあたっては、参詣者などからの寄付によるところこが大きいようです。ボランティアさんたちが仰っていたのは、大切な寺宝、文化財を傷つけたりしないことはもちろんのこと、より多くの方に見にきてもらって、来年も再来年も、その先もこの拝観が続けていきたいということでした。

円空仏祭を運営されているボランティアの方々

円空仏祭を運営されているボランティアの方々

修験道本山派について、ご本尊の正観音のご開帳が丙午の年だけであること、岐阜、愛知に次いで埼玉には円空仏が多いこと、円空が日光へ詣でた記録がありその往来の際にこの近隣に滞在したのではないかということ、また、廃仏毀釈と修験道禁止令と残された円空仏との関係等、わかりやすいご説明がありました。また、特別拝観ということで、正面から間近に拝見することができたうえ、側面から裏側も見せていただきました。

聖観音立像(像高195.5cm)、毘沙門天立像(133.0)、不動明王立像(130.7)の大きな3躯と、像高30~40cm前後の護法大善神像、徳夜叉明神像、役行者椅像、蔵王権現立像の4躯、あわせて7躯。聖観音立像などは、丁寧な仕上がりから円空晩年の作ではないかと言われているそうです。よく見る役行者は痩せ細り厳しい表情のものが多いですが、この円空像はふっくらとして、かつ、にこやか。また、蔵王権現は現在確認されている円空仏としては唯一。全体のフォルムがS字のような感じで躍動的です。

20150505_円空仏祭

この画像は少々控えめのサイズにて・・・

観音院本堂回廊。本堂は完成12年(1800)の再建

観音院本堂回廊。本堂は完寛政12年(1800)の再建

円空仏の特別拝観のあとは、境内の円空カフェでひといき。目に焼き付けた円空さんのやわらかい表情を思い出しながら、冷たいコーヒーをいただきました。

境内では円空カフェとして、パンや冷たい飲み物、お弁当などが販売されていました

境内では円空カフェとして、パンや冷たい飲み物、お弁当などが販売されていました

眩しい新緑に包まれる観音院

眩しい新緑に包まれる観音院

今回はたまたまフェイスブックでこの特別拝観があることを知りましたが、来年もまた所有のお寺で円空さんにお目にかかれる機会をいただけるといいなと思いました。

ところで、今回は特別拝観ということで本堂内外陣に7躯がずらりと勢ぞろいでしたが、かつてはどのように安置されていたのでしょうね。そんなことを想像しながら、観音院さんをあとにしました。

円空仏祭はまた来年 小淵山観音院円空仏祭Facebookページ https://www.facebook.com/enkubutsusai/